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業界動向 2019.05.09

セカンドライフ創設者のVR企業High Fidelity、従業員をレイオフ

ソーシャルVRサービス「High Fidelity」を手掛けるVR関連企業High Fidelity社が、同社の全従業員80人のうち25%(20人)をレイオフしたことを発表しました。High Fidelity社は2013年に誕生した企業で、「セカンドライフ」の創設者フィリップ・ローズデール氏が創業したことで知られています。High Fidelity社によると今回の人員削減に伴い、同社は今後、立体音響を活用したバーチャルオフィスの開発に注力するとのこと。

VRメタバース構築を計画していた

High Fidelity社は、ソーシャルVRサービス「High Fidelity」でユーザーが相互接続されたバーチャル世界をホスト、構築、および結合できる基本的なメタバース(バーチャルな世界)の構築を目指していました。同サービスは、複雑なシミュレーションを実行するために、ユーザからの処理を分散するコンピューティングモデルを用いてプラットフォームの範囲を拡大する手法を採用。Oculus RiftやHTC Vive、および通常のMacなどのPCに対応していました。

「High Fidelity」の開発と並行して、High Fidelity社はブロックチェーン技術への注力や、「High Fidelity」内で使用する仮想通貨「High Fidelity Coin(HFC)」の運用なども行っていました。

創業者が見通しの甘さを認める

High Fidelity社の公式ブログにて、ローズデール氏は自身のVRに関する見通しの甘さを吐露しました。同氏によると、High Fidelity社を起業した2013年当時、未来(2019年)にはVRヘッドセットが、数百万人に普及している状況を想定していたとのこと。ローズデール氏は2019年のVRヘッドセットの普及状況では、「まだ数年待つ必要がある」とブログで説明しています。

既にテスト運用を開始

ローズデール氏によると、バーチャルオフィスのテスト運用はすでに開始されているとのこと。同氏は、High Fidelity社の全従業員がバーチャルオフィスに“出社”して作業したところ、現実のオフィス業務と変わらない作業が行えたと説明。リモートワーカーからも「孤独感が減った」と好評を得られたとブログ上で解説しています。2019年5月現在、バーチャルオフィスは、同社を含む複数の企業が参加する形式でテストが進められています。

(参考)High Fidelity公式ブログ


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