日本航空株式会社(JAL)は空港地上業務の研修に、VRを活用したトレーニングシステム「ビートレグラハン」を導入しました。航空業界では、実機に依存せずに効率的かつ低コストで実施可能なVRトレーニングの普及が進んでいます。
「ビートレグラハン」は株式会社日本XRセンターが開発した航空グランドハンドリング業務向けのVRトレーニングシステムです。グランドハンドリング業務は、空港において航空機が安全かつ円滑に運航できるよう、駐機から出発までの間に必要な地上支援作業のこと。航空機を駐機場から滑走路まで移動させる操作(プッシュバック)やベルトローダーや貨物ドアの操作を訓練可能です。
このシステム導入により、JALは訓練の質を向上させるとともに、訓練時の機材調達や空港施設の利用制限などの課題を大幅に削減しました。VRを用いることで天候や時間帯を問わず、反復的に訓練が実施できるようになり、研修効率が高まっています。また、国土交通省が主催する「空港技術懇話会」においても、この取り組みが注目され、空港運営の先進事例として紹介されました。
近年、国内外の航空会社はXRを使ったトレーニングを積極的に取り入れています。例えば全日本空輸株式会社(ANA)は、地上支援業務や客室乗務員向けの訓練にVRを導入し、効率化を実現しています。JALもまた、航空機牽引や整備訓練、さらには乗務員のトレーニングにMRデバイスを採用しています。
(参考)プレスリリース