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活用事例 2020.12.24

「バーチャル患者」で安全に医療者教育、台湾企業の提案

新型コロナウイルスの流行により、世界各国で医療従事者が不足しています。医療従事者の教育は急務であるものの、感染対策の観点から、現場実習の開催は困難を極めています。

VRを使ってこの問題に取り組むのが、台湾のInnova Medical Technology(以下Innova)です。「バーチャル患者」を活用し、研修医のパフォーマンス評価を自動化します。

「バーチャル患者」を診察し学ぶ

Innovaは2008年、台湾 高雄医学大学の小児科学教授Tsai Tsuen-chiuan氏らが設立しました。同社が提供するのは、研修医向けのVRトレーニングプラットフォームです。「V-DxM」と名づけれたこのシステムでは「バーチャル患者」を提供。様々な症状への対応を学べます。

研修医は咳、腹痛、発熱といった症状を抱えたバーチャルの患者に対面。問診や検査を経て、診断を下します。結果を提出すると、システムが自動的に研修医のパフォーマンスを評価し、誤りを指摘します。

2年間でシナリオは4倍に。様々な追加モードも

この「バーチャル患者」に加え、V-DxMには2つの機能があります。患者に健康指導を行う「バーチャル・ヘルス・エデュケーター」と、前述のバーチャルトレーニングをどこへでも持ち運べる「フライング・シミュレーション・ルーム」です。さらに研修生がオンラインで交流したり、協力する機能も提供しています。

InnovaによればV-DxMは、効果的な3Dモデル、医療知識、そして自然言語処理という3つの技術を軸にしています。2018年以降、トレーニングシーンを20から80に拡大し、リモートインターンシップといった追加モードも設けました。Innova設立者のTsai氏は、公式発表の中で「これはただの製品ではなく、医療教育における完全なゲームチェンジャーだ」と述べています。

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(参考)VRScout
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