定額映像配信サービスを提供するHuluは、VRでHuluのサービスを利用できるサービス「Hulu VR」を発表しました。現在Oculus Rift向けのアプリは既にストアに登場しており、Gear VR向けのものは期間限定のβ版として利用可能となっています。いずれもアメリカ限定。
さらにHulu VRでは、通常のHuluのサービスに加えて、オリジナルVRコンテンツも視聴することができます。現在は30のタイトルが公開されており、今後さらに増えていく予定です。
Hulu VRでできること
Hulu VRは、Huluで配信されている映像をVRの中で視聴できるアプリ。
テレビやパソコンのモニターで視聴するのと大きく違うのは、周りの環境やスクリーンを自由にカスタマイズできることです。VRの中なら、ホームシアターのような部屋で見る(見ているように感じる)ことも、人知れぬ静かな海辺でゆったりと映像を鑑賞することも可能になります。
VRアプリのリリースに際してHuluは、アメリカで人気のSFシリーズ「12 Monkeys」のプロデューサーやデザイナーをパートナーに迎え、VRのアニメーションなどを制作していくことを発表しました。
オリジナルVRコンテンツの例としては、サメやボクシングの試合の360度映像などがあります。Huluは今回、世界的に有名なコンサートプロモーターであるLiveNationをパートナーに迎えており、今後のコンテンツ拡充が見込まれます。
Netflixとの比較
Huluと同様の映像配信サービスを行っている企業に、Netflixがあります。Netflixは2015年のGear VR発売当初より、Netflix専用のVRアプリをリリースしていました。(現在も無料でGear VR向け、Oculus Rift向けのものが入手可能)
NetflixのVRアプリ。暖色系で統一された落ち着いた部屋に、贅沢な大きさのモニターが置かれている。
「Void Theater」モードではあたりを真っ暗にして、空中にモニターだけが浮かんでいる状態も作ることができます。映像以外の視覚情報を完全に取り払うことで、今までになく鑑賞に没頭できます。
HuluのVRアプリ。ホームシアターやVoid Theaterモード以外にも、ビーチなどを環境に設定できる。日中・日暮れなどのオプションもあり。
ただしNetflixは今のところ、HuluのようにオリジナルVRコンテンツを配信する予定はないとのこと。Netflix CEO曰く、現在の技術ではまだコンテンツを配信するに至っていないのが理由だとか。
大手映像配信サービス企業のHuluとNetflix。これで両者ともにVRの活用に着手したことになります。また、現在急速に会員数を伸ばしているAmazon Primeビデオに関しても、Amazonが“VRでコンテンツを配信するプラットフォーム”向けの人材を募集していたことが明らかになっています。
既存の動画コンテンツのVRでの鑑賞、そして新たに登場する360度のVR向けコンテンツをどういった枠組みで配信するのか、既にその取組は本格化しています。
(参考)
Hulu VR
http://www.hulu.com/labs/huluvr
Hulu VR Comes to Oculus Rift With 30 VR Videos -UploadVR
http://uploadvr.com/hulu-vr-comes-oculus-rift-30-vr-videos/
※米UploadVRはMogura VRとパートナーシップを結んでいます。