カバー株式会社は、2026年3月期第1四半期(2025年4月〜2025年6月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比50.1%増の96億2,900万円となり、営業利益は16.5%増の9億7,200万円、純利益は11.9%増の6億9,300万円を記録しました。VTuber事業における安定した成長が業績を下支えしています。
同社はVTuber事業の展開を多角化しています。サービス別に見ると、配信・コンテンツ分野では、季節要因や一部タレントの卒業があったものの、新人や海外所属タレントによるコンテンツの拡充で、視聴者数の増加を継続しています。VTuber轟はじめさんの生誕祭ライブでは、同時接続数が10万人を超え、X(旧Twitter)でトレンド1位を獲得。英語圏VTuberグループ「ホロライブEnglish」所属のタレントたちを主人公とした新プロジェクト「ENigmatic Recollection」の配信コンテンツ「ENigmatic Recollection: The Chains of Fate」は期間中に800万回以上再生されました。

ライブ・イベント事業では、新たな演出技術を導入し、ファン体験の充実とコミュニティ形成を図っています。地方都市でのイベント開催も進め、首都圏外でのファン拡大を実現しました。VTuber猫又おかゆさんの2ndライブでは、会場に8,000人以上、配信では1万人超の観客を集めています。また、地方6都市開催イベント「hololive SUPER EXPO 2025 後夜祭」も実施されました。
グッズ販売を中心とするマーチャンダイジング事業も成長しています。「hololive OFFICIAL CARD GAME」の好調な売れ行きに加え、大阪に公式店舗を開設しました。北米地域では関税の影響から回復しつつあり、英語版トレーディングカードゲームの販売も開始されています。
ライセンスおよびタイアップ事業では、フィギュア商品の販売が順調に推移しています。さらに、モバイルゲーム「荒野行動」とのコラボも実施されました。北米およびアジア市場における案件が拡大しており、グローバルでのブランド認知向上と収益増加に貢献しています。
技術開発にも注力しており、大規模な設備を必要としない簡易モーションキャプチャ技術の研究が進行中。ゲームエンジン「Unreal Engine」を活用したバーチャルライブの高精度な演出表現も開発されています。メタバースプロジェクト「ホロアース」では、ホロライブのVTuberが自身のアバターでプラットフォームにログインする取り組みを実施。これにより、ユーザー生成コンテンツ(UGC)の増加と体験の向上が見られています。
事業基盤の強化に向けた組織体制の整備も進められています。物流拠点の統合によってコスト効率を改善し、人事制度や組織構造を見直すことで人的資本の活用を高めています。さらに、北米市場向けの現地EC開発に着手し、営業力の強化を進めているとのこと。米ラスベガスの「Licensing Expo」への参加を通じて、グローバルな収益基盤の確立にも注力しています。
同社は持続的な成長に向けた明確なビジョンを示しつつ、2030年3月期までに売上高1,000億円、営業利益250億円以上の達成を目指す中期経営目標を掲げています。
(参考)カバー株式会社



