触覚フィードバックのハプティック技術を開発するHapTech社は、VR軍事演習用に活用できるマグネットリコイルシステムに取り組んでいます。
Hap Tech社の開発するマグネットリコイルシステムは、すでにStrikerVR社がVRゲーム施設向けに提供するVR用触覚付き銃型コントローラーに使用されています。同社はこの技術を、商業利用だけでなく、VR軍事演習用にまで拡大していくことを視野に入れ、開発に取り組んでいます。
軍事向け展示会でデモが行われる
軍事教育や軍事演習、軍事設備のカンファレンス会議及び展示会のI/ITSEC(Interservice/ Industry Training, Simulation and Education Conference)が2018年11月末に開催され、会場にてHapTech社のデモが行われました。
同社は、1930年代から米国が軍事用に広く使用し始めた50口径マシンガン「Browining M2」に、同社の開発するハプティック技術マグネットリコイルシステムを搭載したプロトタイプを披露しました。パートナーとなるOptiTrackは、モーショントラッキング用反射マーカーを提供しており、これによりM2のすべての動作を検知し、本物のマシンガンと同様な操作性を再現しているとのことです。また、VRヘッドセットにはHTC Viveが使用されました。
HapTech社はマシンガンを点火する感覚について「本物のリコイルに非常に近い感覚」であることを主張しており、実際にM2を使用した経験のある軍人も、同社のコメントに同意しています。
軍事演習用に需要が広がるVRシミュレーション
M2は兵器として広く使われているため、市場では、軍事演習用向けM2のVRシミュレーションの需要があります。なお、現在M2シミュレーション用のハプティック技術には空気圧がベースとなっているものが多く活用されています。HapTech社の共同設立者Martin Holly氏は、自社のマグネットリコイルシステムを活用することで「よりよいリコイルを提供することにより、費用対効果が高く、メンテナンスコストも抑えた」M2シミュレーションを開発していくことを目指していると語っています。
今回のM2のデモンストレーションで、HapTech社のハプティック技術は、50口径マシンガンほどの大きさに活用できることが示されましたが、Holly氏によれば、けん銃のような小さなサイズでも活用できるとコメントしています。また、同社は現在、米陸軍と海兵隊に広く使用され、演習用として需要のある小型ライフル銃の「M4カービン」のVRシミュレーションの開発にも取り組んでいます。
(参考)Road to VR
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