12月8日、株式会社gumi(以下、gumi)は平成30年4月期の第2四半期決算短信、第2四半期報告書、第2四半期決算説明資料を同社IRニュースにて発表しました。
gumiの第2四半期決算は、売上高139億7,000万円(前年同期比23.9%)、営業利益4億1,800万円(前年同期比マイナス25.7%)、経常利益3億5,200万円(前年同期比マイナス42.2%)、純利益1億8,300万円(前期比マイナス66.2%)となり、またQonQでは売上高・営業利益共に若干の減収・減益の決算となりました。
gumiは主力事業である「モバイルゲーム事業」と新たに「VR/AR事業」を報告セグメントを追加しました。同社は「VR/AR事業」を加えた理由として本年6月に株式会社gumi VRを設立したことを挙げています。また、現在のVR/AR市場黎明期は国内外のスタートアップへの投資を行い、市場規模が拡大した成長期には、VR/ARコンテンツの開発を主体的に取り組む計画としています。
なお、新しく追加した「VR/AR事業」は投資等を中心に展開したことから、営業利益はマイナス1億2900万円となっています。
市場黎明期は投資・育成・コンテンツ開発の3軸での実績
現在のgumiのVR/ARへの取り組みは、主に下記の3つです。
・インキュベーション事業
・グローバル投資事業
・コンテンツ開発事業
インキュベーション事業
gumiはAR/VRスタートアップの育成と輩出を目的にしたインキュベーションプログラムを日本、韓国、北欧で展開しています。すでに日本のインキュベーションプログラム「Tokyo VR Startups」は第3期プログラムまで実施済み。韓国「Seoul VR Startups」は第2期プログラムが、北欧「Nordic VR Startups」は第1期プログラムが開始されているなど、プログラムは順調に進んでおり、すでに国内外の複数の参加チームが資金調達を行うなどしています。
グローバル投資事業
gumiはパートナーの「The Venture Reality Fund」を通して複数のVR/ARのスタートアップに投資を行っています。「The Venture Reality Fund」のHPには18社の投資先が公開されており、この中には「Tokyo VR Startups」参加チームのInsta VR社も含まれています。また、Googleが買収した、VRゲーム『Job Simulator』開発会社のOwlchemy Labs社も投資先として公開されています。
コンテンツ開発事業
VR/ARコンテンツにおいては、投資先の企業・スタジオを通して開発を行うとのこと。これまでに発表されてきた特徴としては、MORPGなどの大規模なタイトルを開発することがアナウンスされています。決算説明資料では、日本のよむネコ社、米inXile Entertainment社、独Playsnak社が紹介されています。また、すでにinXile Entertainment社の新規コンテンツのグローバール配信権を取得していることが発表されました。
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今回発表から、新しくVR/ARのセグメントを設けたこと、資料内でVR/AR事業について大きく言及したことなどから、gumiのVR/ARへの期待度がうかがえる内容となりました。同社の今後の取り組みに注視したいところです。
(参考)
平成30年4月期 第2四半期決算説明会資料(PDF)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid;=43498&code;=3903
平成30年4月期 第2四半期報告書(PDF)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=yuho_pdf&sid;=2630223
平成30年4月期第2四半期決算短信(PDF)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid;=1538540