2024年11月5日、グリー株式会社 2025年6月期 第1四半期 (7~9月)の連結決算が発表されました。全体としての売上高は129億4100万円(前年同期比-18%)、営業損益は1億3300万円の赤字(同-111%)、経常損益14億4500万円の赤字(同-192%)、最終損益16億4400万円の赤字(同-239%)とのことです。
収益の柱となっているゲーム・アニメ事業において、ソーシャルゲームの「ヘブンバーンズレッド」が2024年7月に中国で配信され人気を博しているものの、他のタイトルが不調となり減収減益となりました。
その中で、メタバース事業においては売上高が前年同期と同じ19.6億円、営業利益は+24%となる1.5億円となったそうです。
REALITYで得た利益をVTuber事業に投資
グリーのメタバース事業に関しては取締役 上級執行役員 荒木英士氏により詳細が発表されました。
プラットフォーム事業(REALITY)に関しては、この1年間はREALITYを活用したバーチャルライブ配信に注力。特にVTuberなどのライバーを抱えている事務所企業とのアライアンスを強化しています。この施策が功を奏して、日本国内でのライブ配信売り上げが堅調に推移したと説明します。
プロダクトとして見ると、特殊な機材や、複雑な環境設定が不要なゲーム実況機能を2024年10月に提供を開始するなど、より多くのVTuberが配信に取り組みやすい機能拡充に取り組み、ライブ配信による更なる収益拡大を目指しているそうです。
配信以外の機能に関しても、アバターやルームといった機能アップに着手。大型アップデートに向けた開発が進捗しています。アバターやルームをデコレーションして撮影、XなどのSNSにシェアする流れが生まれている現在、REALITYユーザーの滞在時間を伸ばすための施策となるのでしょう。
VTuber事業はREALITY Studiosが運営するVTuber事務所のこと。所属タレント数が前四半期比+12名となるなど、タレント数が順調に増加しています。同時に売上高も前年度比+71%となりました。積極的に投資をしている分野であり、今後も継続して投資をしていくとのことです。
第2四半期の業績見通しに関してですが、売上高はアバターやルームのアイテム販売が成長するとの見込みにより売上高は増収。営業利益はVTuber事業におけるイベントやオーディション関連費用の投資を強化することから減益、そして通期の業績予想は達成できる見通し。
中期目標に関しても、プラットフォーム事業で創出した利益をVTuber事業に投資していくそうです。黒字化の見込みは2026年度で、そこで成長を加速させながら2027年度で大きな利益を生んでいく見込みとのこと。