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テック 2018.07.27

グーグルグラス、製造業向けに音声アシスタントや画像認識搭載で復活狙う

2013年にグーグルから発表された眼鏡型のARデバイスGoogle Glassは、開発者版が出荷されたのみで一般消費者へ普及することなく姿を消しました。このデバイスが、音声会話などの機能を搭載して帰ってきます。

業務向けのデバイス、AIサービスをグーグルがサポート

イスラエルのソフトウェア企業Plataine は24日、グーグルのクラウドコンピューティングビジネスに関する会合で、眼鏡型デバイス向けのアプリを発表しました。製造現場での利用を想定しており、ユーザーが話す言葉を理解し、音声で回答します。

GE、ボーイング、エアバスといった顧客がついており、Plataine によれば画像認識の機能も盛り込む予定ということです。

さらに将来的にはAI技術により、性能や使いやすさの向上を目指しています。AIサービスについては、グーグルのクラウド部門がサポートを行っています。

グーグルグラスの復活を宣言

グーグルのJennifer Bennett氏は、同社のクラウドサービスをデバイスに統合すれば、製造現場にとって革命的なツールになるだろうと強調。そして、Plataineの紹介に際し、「多くの人は、グーグルグラスのことを思い出すかもしれません。ついに戻ってきました!」と宣言しました。

グーグルの眼鏡型ARデバイス「グーグルグラス」は、2013年に開発者向けモデルとして発売され話題になるも、ヒットに至りませんでした。同社はこのデバイスを、2017年に業務用モデルとして再発表。ボーイングなどと提携しパイロットプロジェクトを行っていました。

画像認識技術の搭載も

PlataineのAnat Karni氏はデバイスのデモを行い、作業者に必要な情報がデバイスのディスプレイに提示される機能を示しました。またユーザーは会話によってサポートを得ることもできます。例えば倉庫に入って「必要な部品を選んで」と指示すれば、アプリは音声やディスプレイへの表示によって、必要な部品がどこにあるかを示します。この機能には、グーグルアシスタントでも使われるチャット機能「Dialogflow」を用いており、Karni氏によれば「とても自然」な会話ができるということです。

またユーザーの利用状況は、直ちに管理者で確認することが可能です。

Karni氏がメディアWIREDに語ったところによれば、現在グーグルと協働し、画像認識技術をデバイスに追加しようとしているとのこと。バーコードを読み取ったり工具を認識すると機能が可能になります。

AIとの融合で強みを活かせる

今回の発表のように、グーグルグラスは本当に復活するのでしょうか?カリフォルニア大学でマンマシンインターフェースの研究を行うGillian Hayes教授は、グーグルのAIサービスと眼鏡型デバイスを結びつけるこのプロジェクトは、デバイスの強みを活かすものだとしています。

Hayes教授によれば、「製造現場のように、『眼鏡型デバイスを使ってはいけない』という規範がない場所なら、(一般消費者向けと違い)非常にうまく使えると思います」ということです。

さらに音声会話や画像認識といった技術は、デバイスに新たな動きをもたらす可能性があります。Hayes教授は、「これらの技術が向上すると、ウェアラブルデバイスはさらに機能的になるでしょう」とも観測を示しています。

(参考)WIRED


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