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投資 2021.07.20

「インタラクティブ配信」のGenvidが1.1億ドル調達、専門子会社設立へ

大規模インタラクティブ・ライブイベント(Massive Interactive Live Events:MILEs)の制作に注力するGenvid Holdingsが、2021年7月15日、シリーズCラウンドで1億1,300万ドル(約124億円)を調達しました。

同社は今回の資金調達の主な目的を、MILEsの制作に特化した新たなパブリッシング子会社「Genvid Entertainment」の設立としています。

MILEsとGenvid社とは?

MILEsとは、クラウドを活用したライブ配信イベントで、ゲームのインタラクティブ性とテレビのようなメディアを自然に融合させたような形式のエンターテインメントです。ニューヨークに拠点をおくGenvidは、MILEsに必要であるインタラクティブなライブ配信技術の開発・提供などを行ってます。

MILEsの成功例であるRival Peak

同社が世界で初めてのMILEsとして、インタラクティブ・リアリティ番組「Rival Peak」がFacebook限定で配信されました。この番組では、AIが操作するキャラクター12人によるサバイバル生活が配信され、視聴者は投票やパズルをしたりキャラクターを導いたりすることにより、ストーリーの展開に影響を与えることができます。

「Rival Peak」は3ヶ月間の配信で、1億分以上の試聴時間や2億以上のエンゲージメント数を記録しています。Genvid社は「Rival Peak」の大きな反響を受けて、専門子会社の設立に至ったとしています。

Genvid社の次世代MILEsである「Project Raven」

Genvid社は同日、次のMILEs作品として「Project Raven」をコンセプトトレーラーで公開しました。同作品は、MILEsのコンセプトをホラー映画やゲームに取り入れています。森の中の小屋に閉じ込められた若い大人たちがゾンビにつきまとわれるという内容で、視聴者はゾンビを撃退する登場人物の運命に影響を与えることができます。

『Project Raven』コンセプトトレーラー

「生きているテレビ、生きている映画、生きている漫画のようなストーリーを期待してください」と、同社のCEOであるJacob Navok氏は述べています。

今回の資金調達について

Genvid社はこれまでの2ラウンドで調達した3,300万ドル(約36億円)と合わせて、2016年の創業以来、合計で1億6,600万ドル(約182億円)を調達したことになります。

今回のラウンドは、既存の投資家であるValor Equity Partners社とAtreides Managemen社が共同で担当しました。新たにThird Point LLC社、Cobalt Capital社、LightShed Ventures社、XN社、Lux Capital社が出資しただけではなく、既存出資者である Galaxy Interactive社、Horizons Ventures社、Makers Fund社も参加しました。また、戦略的投資パートナーであるHuya社、NTTドコモ・ベンチャーズ、Samsung Ventures社も参加しています。

Genvid Entertainment社は今年後半より、主要な知的財産のライセンスを通じて、MILEsを制作・出版していく予定とのことです。

(参考)プレスリリースVentureBeatプレスリリース(Rival Peak)


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