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業界動向 2018.06.13

「10年以内に治療中のVRは当たり前に」フランスで痛み緩和にVR活用

患者の痛みや恐怖を和らげるために、医療現場でのVR活用が広がっています。Mogura VRで過去に取り上げた中でも、VRコンテンツを患者に視聴してもらう臨床研究や、小児科で使う医療用VRゲームの開発など多くの事例があります。

フランスのある病院では、救急処置室にいる患者をVRでリラックスさせ、鎮痛剤を使わずに痛みを緩和する試みが行われています。

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VR空間に没頭し、痛みを和らげる

フランスのセント・ジョセフ病院で行われているこの取り組みは、非常にシンプルです。患者はVRゴーグルを着け、穏やかに雪の降る丘の中腹や、日本の寺の庭園へ。脱臼や怪我を処置する痛みに耐える代わりに、素晴らしい音と景色を備えたVRで気を紛らわせます。

今後10年で、治療中のVR利用は「当たり前」に

同病院の救急部門トップであるOlivier Ganasia医師は、VRを治療で使うことは「催眠」のようなものだと言います。Ganasia医師は「VRを使うことで、治療中に患者の気を紛らわせ、痛みや不安を抑えることができます。私の考えでは、今後10年の内に、VRを治療中に使うのは当たり前のことになるでしょう」と話しています。

現時点でのVRを使った治療は実験的な段階で、さらに研究が必要とされています。正しく使用されているかの検証や、プラセボ効果(本来は薬効がないのに、思い込みにより症状が改善する効果)の可能性を排除しなければなりません。

しかしすでに、VRは人の気を紛らわすために役立つだけでなく、神経システムの痛みへの反応を変えてしまう、ということも分かってきています。

(参考)Engadget


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