フェイスブックは、小売向けのコンピュータービジョン技術を手がける米国のスタートアップ、GrokStyleを買収しました。コンピュータービジョン部門へ吸収し、同社の提供する商品売買サービスなどへ活用すると見られています。
画像から商品を検索するサービス
GrokStyleは、小売サービス向けのコンピュータービジョン技術を開発している企業です。その沿革は、2015年のSIGGRAPHでの技術発表にさかのぼります。その後アメリカ国立科学財団から資金を獲得し、企業体を設立。2017年には200万ドル(約2.2億円)の資金調達に成功しました。
同社の手がけるサービスは次のようなものです。家具や照明などの商品の画像を元に、店舗在庫にある同じ外見のアイテムを探し出し、マッチングします。非常にシンプルなアイディアですが、既に家具販売のIKEAがアプリへの導入を決めるなど、その機能は優れています。
買収の目的は?
今回のフェイスブックによる買収の意義として、次の2点が考えられます。
まず、同社はコンピュータービジョンとAIに重点的な投資を行っています。従ってGrokStyleやその創設者らをターゲットとするのは自然なことです。2点目に、フェイスブックが「マーケットプレイス(※)」へ資金を投入し、インターフェースとしてカメラ機能を活用しようとしていることが挙げられます。例えば宿泊先で気に入った照明がある時に、フェイスブックのカメラアプリを起動。どこで販売されているかや、似たような商品がないかを確認できれば便利でしょう。
※マーケットプレイス:個人間で商品の売買を行うサービス。2019年2月現在日本では未展開。
なお、買収金額等の詳細は明らかになっていません。メディアTechCrunchの質問に対しても、フェイスブックはGrokStyleの技術や人員の活用方法については回答していないということです。
フェイスブックは直近の業績発表でも、ARやVR、AI分野へ重点的に投資を行う方針を打ち出しています。
(参考)TechCrunch