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業界動向 2019.09.25

フェイスブック、“神経による指トラッキング”企業の買収計画を明らかに

フェイスブックは、腕の電気信号を使った指トラッキングを開発する企業、CTRL Labsの買収を進めていることを明らかにしました。同社が過去に特許を登録した、リストバンド型デバイスの開発を加速する目的と考えられます。

電気信号検出と機械学習を利用

ニューヨークを拠点とするCTRL Labsは2015年に設立され、これまでに6,700万ドル(約72億円)の資金調達を行っいます。手首に巻くリストバント型のデバイスで、ユーザーの腕の電気信号を読み取り、指の動きをトラッキングする技術を開発中です。

デバイスはユーザーの手首から指へ流れる電気信号を検出し、腕の腱や筋肉を通る際の変化に基づき指の位置を特定します。電気信号の変化を指の動きに変換するためには、機械学習を用いています。すでに開発者用キットはリリースしていますが、オープンではなく一部のデベロッパー向けにとどまっているとのことです。

フェイスブック特許との関係は

実はこの技術は、2019年2月にフェイスブックが登録した特許内容と酷似しています。特許は、手首の電気信号を読み取り、指のトラッキングをするアームバンド型のデバイスに関するものでした。今回の買収目的は、フェイスブックがCTRLの技術をデバイス開発に導入する、あるいは製品化に当たり同社の知的財産を必要としている、等が考えられます。

フェイスブックのAR/VR事業ヴァイスプレジデントAndrew Bosworth氏は、自身のフェイスブックでCRTLの取得について公開。同社がFacebook Reality Labsに編入されるとした上で、CRTLのデバイス開発を継続すると述べています。

早期の製品化目指す

手だけでなく細かな指の動きがトラッキングされ、VR内での動きに反映されれば、VRのインタラクションに新たな次元が登場すると期待できます。同様に腕にコントローラーを巻くアプローチとしては日本のH2Lが展開しているFirstVRのコントローラーなどがありますが、全ての指の動きをトラッキングしているわけではありません。また過去に筋電デバイス”Myo”を開発していたThalmic Labsは、現在は社名をNorthに変更し、スマートグラス”Focals”に注力しています。

フェイスブックによれば、買収はまだ完了していないものの迅速にクローズしたいとのこと。「CTRLはFacebook Reality Labsのチームに入り、我々は共にこの技術の本格展開を進めたいと考えています。そして早期に、一般向けの製品化にこぎつけたいです」とBosworth氏は記しています。

(参考)Road to VRUpload VR
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