先日、ウォルト・ディズニー・カンパニー(ディズニー)のCEOであるロバート・アイガー氏より、会社としてはVRよりもARに注力しているとの発言がありました。こういったAR重視の姿勢をとっていると思われるディズニーが、2017年4月6日にプロジェクター投影型のARシステムに関する特許を取得しました。なお、本特許の申請日は2015年10月1日となっています。
特許の中には、ラフスケッチを含んだダイアグラムがいくつか記載されています。図を見てみると、プロジェクターによる映像がダイニングテーブルといった平面上に投影されているようです。ダイニングテーブルというと、先日ディズニーから配信された『美女と野獣』のVRコンテンツである『Beauty and the Beast: Lumiere’s Dress Rehearsal』が思い起こされます。あるいはまた、2.6億ドル(約288億円)の資金調達を達成した同じく投影型ARシステムの「Lightform」との類似性も感じさせます。
特許本文やダイアグラム記載の内容をまとめると、本システムでは、先ずプロジェクターによって仮想世界の映像が現実の物体に投影されます。そして、映像が投影された物体を移動させたり向きを変えると、その動きに合わせて仮想世界の内容もインタラクティブに変わるといった旨が書かれています。
このように、ディズニーが描くARシステムでは、来場者が頭に何らかのものをかぶる必要がない利用しやすさを感じる一方で、その体験は2次元的なものに閉じられているような印象も受けます。
もちろん、大抵の場合において特許の内容自体が実際のコンテンツと直接結び付くとは限りません。ただし、ディズニーがARに対して力を注いでいるのは確かと言えるでしょう。今後、ディズニーのテーマパークにARがどのように展開されていくのか期待されます。
(参考)
Disney Files Patent Application For Projector-Based Augmented Reality System(英語)
https://uploadvr.com/disney-ar-patent-application/