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業界動向 2023.06.06

ディズニーと触覚技術のEmergeが提携、“デジタルコミュニケーションの未来”目指す

6月1日、触覚などの感覚フィードバックによるコミュニケーション・プラットフォームを手掛けるEmergeは、ウォルト・ディズニー社と複数年に渡るパートナー提携を締結したと発表しました。

遠くの家族と「ハイタッチ」を共有

両社の提携後、Emergeの技術は、ディズニーと提携するサービスの一つとして展開される予定です。Emergeはディズニーのコンテンツを体験する際、「遠くの友人や家族に、ハイタッチの感覚を共有する」などの触覚フィードバックを提供します。

ディズニーの担当者はプレスリリースの中で、「ディズニーファンにとって、最も思い出深い瞬間は、過去100年に渡って私たちが伝えてきた物語を通じて形成された共有の瞬間です。Emergeとの提携を通じて、私たちは彼らの技術プラットフォームを活用し、これまで想像の中だけにあった物語や象徴的な瞬間に、より深いレベルの”感じること”を追加できることに喜びを覚えています」と述べています。

手と手の接触感覚が、家族や友人との感情的なつながりをもたらす

Emergeは生成AIを活用し、視覚、触覚、聴覚、脳活動を通じたマルチ・センサリー・コミュニケーション・プラットフォームの構築に取り組んでいます。同社の主力製品である「Emerge Wave-1」は、2022年にベータ版がリリースされました。この製品は13インチのパソコンと同じサイズで、超音波を使用し、手を使ったインタラクションを可能にします。そしてVR/ARでは、手と手の触覚接触をユーザーに体験させます。

同社は「感情をリアルタイムでデジタル化し、送信することを目指しています。個人間の感情的なつながりを育む新たな未来を形作る」とコメント。共同CEOであるアイザック・カストロ氏はプレスリリースの中で、「世界人口の33%が他の人々とのつながりを感じていないというこの孤独症は、すでに私たちの時代の最も大きな生命の脅威の一つです。今の時代に必要なのは、他の人々との感情的なつながりを中心にしたコミュニケーション・プラットフォームを構築することです。私たちはディズニーとの提携に興奮しており、私たちの使命をさらに推進できます」と述べています。

スマートテレビを活用し、新たなデジタルコンテンツがある未来へ

EmergeはVR/ARヘッドセットのメーカーだけでなく、スマートテレビを製造する家電ブランドとも協力しています。同社はインターネット対応テレビの普及により、ストリーミングビデオ、クラウドゲーミング、ビデオ通話などの使用例が増える中、触覚の感覚を通じた新たな相互作用やエンゲージメントが可能になると考えています。「この変化は、視聴者がデジタルコンテンツやお互いとのやり取りを、より没入感のある体験に変え、コミュニケーションとインタラクティブメディアの未来を形作ることができる」とコメントしています。

「新たな消費者カテゴリーを築く旅はスプリントではなく、マラソンです。今日の発表は、私たちのチームの長年にわたる献身と努力の結晶です。ディズニーとのパートナーシップにより、100年以上にわたって観客を魅了し続けてきたブランドと一体性を確立します。共に世界中の13億台のスマートテレビを活用し、現行のコミュニケーション技術の制約を超える準備が整いました。」と、Emergeの共同CEOであるスライ=スペンサー=リー氏は述べています。

(参考)プレスリリース


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