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AR/MR 2018.01.04

AR(拡張現実)とは?具体例で解説

徐々にVR、AR、MRと呼ばれる技術が注目されるようになっています。今回はその中でも「AR(拡張現実)」について、具体例を挙げつつ紹介していきます。

目次

AR(拡張現実)とは?
ARで何ができる?
代表的なAR体験3選
ARの今後の展望、可能性
将来的な期待、ARクラウドとは?

AR(拡張現実)とは?

ARとは、Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ、拡張現実)の略です。頻繁に見るARの事例としては「現実の上にデジタルな情報を表示する」というものがあります。ARについて理解するためには、まずはこのイメージを持ってもらえれば良いかと思います。

ARのより詳細な定義は、こちらの用語解説に記載しています。とはいえ、定義的な説明だけでは「ARって、具体的に何なの?」ということがわからないと思いますので、ここから紹介していきます。

なお、ARと区別のつきにくい「VR(Virtual Reality)」、「MR(Mixed Reality)」との違いは、下記の記事にて紹介しています。

ARで何ができる?

ARの活用について、これまでにも建築・医療といった分野で、AR技術と眼鏡型のデバイスの組み合わせが行われています。

近年では、スマートフォンで誰でも手軽にARを体験することができるようになっており、2016年にリリースされた『ポケモンGO』などはARを一部機能で使用しています。


さらに、以前までのARは「現実にある特定のマーカーを認識して、その上に情報を表示する」ものや、ポケモンGOのように「カメラを通して現実にキャラクターを投影する」といったものが主流でしたが、現在では、「空間を認識するAR」が登場しています。

では「空間を認識するAR」とはどういうものなのか、説明します。

iPhoneやiPadに搭載されているiOS11からは、新しいAR機能「ARKit」が実装されています。これにより、スマートフォンなどのカメラで現実空間を認識し、机の上にデジタルなモノやキャラクターを置くこと等が可能になるほか、現実の物の大きさや環境光、いわゆる太陽や室内光を測定するといったことを行うことができるようになりました。

つまり、よりリアルな情報を現実に付与できるようになったのです。ポケモンに地面を歩かせたり、部屋の床にARの家具を置くといったことなどが可能です。「ARkit」に関しては、より詳細な内容が下記記事に記載されています。

なお、スマートフォンで体験できるARとしては、iOS向けの「ARKit」以外にも、Android向けにGoogleが提供しているAR機能として「ARCore」が発表されています。「ARCore」は2017年12月末から一部機種に向けて提供されています。

代表的なAR体験3選

ここからは、AR技術を使用したいくつかの体験を紹介します。これらを見ることで「ARって何?」がさらに具体的にイメージできるかと思います。

このアプリでは、家具の長さを測るためのメジャーをARで利用することができます。測定の精度は今後の課題ですが、メジャーを持ち歩く必要なく、様々なものを測定できる、タップだけで簡単に測定できるなど、メジャーに比べてメリットが多くあります。

https://www.youtube.com/watch?v=-xxOvsyNseY

大手家具メーカーであるイケア(IKEA)はARで部屋の中に家具を配置できるアプリ『IKEA Place』を開発・配信しています。

家具をオンラインで購入する際にも、実際にその家具を家に配置して確認するなどが可能となっており、約2,000種類ほどのソファやテーブルなどを配置することができ、購入してからイメージが違うといったトラブルを防ぐことができます。

美容関係のAR技術を提供するModiFace社によるARを活用したメイキングアプリです。ARを使って顔にメイクをしたように表示させたり、試した化粧品をギャラリーのように空間に並べて見るといったことが可能です。

リップの色を選んで顔に合うか試すといった通販・店頭販売での試供などでの活用が見込まれます。

ARの今後の展望、可能性

最後に、ARが今後どうなるか、という予測を紹介します。GoogleやAppleといった大企業がスマートフォン向けにフレームワークを提供し始め、AR技術への本格的な参入がうかがえる昨今ですが、ARは今後どのように広がっていくと予想されているのでしょうか。


参考1:イギリスの投資銀行Digi-CapitalによるVR/AR市場予測。濃い青色がAR、水色がVR

イギリスの投資銀行Digi-Capitalの予測(2017年1月・上記画像)によれば、今後AR市場は2018年を境にVR市場を超えて成長するとされています。

そして、成長するARの市場を支えるのはスマートグラスなどのARデバイスではなく、スマートフォンを使ったARと予測されています。

参考2:VR/ARデバイスの出荷台数予測

VR/ARの機能を搭載したデバイスの出荷台数予測(上記画像)についても、スマートフォンARが最も多くなっています。今後、Android向けに提供予定のGoogleのAR機能「ARCore」の一般消費者向けリリースなどもあり、引き続き拡大が予想されます。

将来的な期待、ARクラウドとは?

将来的にはスマートフォンではなく、ARグラスなどのデバイスが普及すると考えられています。その際に使用されるであろうARクラウド技術に関しても期待が寄せれています。

ARクラウドとは簡単にまとめると現実世界のコピーとそれに紐付くデータをクラウド上に保持する技術のことです。ARクラウドでは現実世界の特徴情報とクラウド上に保存してある特徴情報を比較して、瞬時に現在位置が推定できるようになるとされています。当然GPSやWi-Fi、ジャイロセンサー、電子コンパス、画像認識などさまざまな技術を組み合わせて高速化をはかっています。

なぜARクラウドが将来的に期待されているかというと、ひとつめは一般ユーザーがAR体験をできる土壌が整ったことが一番大きな理由です。ふたつめは、ARグラス登場への期待です。今から10年以内には、一般普及するクオリティのARグラスの登場が予想されています。ARグラスがこの世に出て来たときに、たとえば街でAR空間内で広告を見たり、友達と同じ3Dオブジェクトを見て干渉するときには、同期することが重要となります。そこで、必ず必要になるのがARクラウドの技術です。

現在も技術の進歩の途上にあるARは、将来的な可能性も大きい分野です。VRと同様に今後も注目したいですね。


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