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AR/MR 2017.12.07

ARメガネ?眼鏡型ARデバイスの特徴・機種・事例紹介

AR(拡張現実)という技術が注目されるようになっています。AR技術を使ったアプリは以前にもありましたが、近年ではARでキャラクターを現実に映し出す『ポケモンGO』の登場や、iPhoneに搭載された新AR機能などもあり、一般の人でもスマホで手軽にARアプリに触れられる機会が増えつつあります。

一方で、顔や頭に装着しAR体験を行う眼鏡型のデバイス「ARメガネ」も存在しています。(ARグラス、ARゴーグル、ARヘッドセット、スマートグラスとも呼称されています)

今回は、そういった眼鏡型のARデバイスについて紹介します。

目次

スマホARとARメガネの違い
Microsoft HoloLens
Meta 2
DAQRI SMART HELMET
MOVERIO
WaveOptics
Vuzix
Mira Prism

スマホARとARメガネの違い

スマホARは、スマートフォンの画面ごしに現実を覗き込むのに対して、ARメガネはまるで現実にCGが「ある」ような感覚が得られます。

ARメガネの良い点は、コントローラーを使わないものに関してはハンズフリーで使用することができる点です。この利点により、多くの分野での作業補助が期待されています。たとえばキッチンでの料理や、工場でのマニュアル確認、手術などの医療現場など手を自由な状態で作業を行いたい場合、スマホARでは不可能です。

今回は、ARメガネの種類・活用事例を紹介します。

Microsoft HoloLens

マイクロソフトからリリースされているARデバイスHoloLensは、ARメガネの中でもかなり知名度が高く、様々な現場での活用が行われています。活用事例は下記記事などで紹介しています。

HoloLensのユースケース、複数人での使用や、対話インターフェイスなど【CEDEC 2017】
http://www.moguravr.com/cedec2017-hololens/

HoloLensの特徴はPCとの接続や、スマホを装着することなく単体で動作する点です。外部のセンサーやケーブル等が不要なほか、自分の手のジェスチャーで操作することができるなど、新たな体験ができるデバイスです。


医療分野や建築分野で特に使用が期待されており、日本マイクロソフトはパートナーシッププログラムを結ぶなど力を入れています。日本でも開発版を333,800円から購入することが可能です。

・日本マイクロソフト HoloLens公式ページ
https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens

Meta 2

アメリカ企業のMeta社が開発を行っているPC向けARヘッドセット『Meta 2』はマイクロソフトのHoloLensのライバル機種として注目を集めています。


HoloLens同様ジェスチャー操作等に対応していますが、一体型のHoloLensと違い別途グラフィック性能の高いPCが必要になります。ただし価格は1495ドル(日本円約16.7万円)とHoloLensと比べると低価格になっています。

HoloLens同様、建築や医療での活用が期待されており、この動画は、建物の図面から3Dオブジェクトが出現し、触った部屋の内装を見ることができるといった建築向けの活用デモの動画になります。

DAQRI SMART HELMET

DAQRI Smart Helmet は、ヘルメット型をしたAR眼鏡で、製造業、特に建築・建設業向けに開発されたものとなっています。

建物のモデルを呼び出すと、暖房ダクト、送水管、制御盤などが表示されるほか、さらにレイヤーを変えていくと鉄骨の構造や材料の加工なども確認できるようになっています。

建物へのアクセスが現場で可能になることで、建設作業員がより空間を把握しやすくなるだけでなく、MEP(機械、電気、配管)の干渉をより早期に突き止めることで、早い段階での対処や意思決定を行うことができるようになるとしています。
開発段階初期での単価は15,000ドル(約168万円)となっています。

建設現場でARを活用することで壁の向こう側を透視
http://www.moguravr.com/ar-in-construction-redshift/

MOVERIO


エプソンが提供しているスマートグラスMOVERIOは眼鏡サイズでかけるだけで大画面、高画質な映像を体験できるデバイスです。

出張や通勤などの移動時間、行列などの待ち時間などにも映画やテレビ番組を楽しむことができ、高いコントラストで屋外でも美麗な映像を楽しむことができます。

また、MOVERIOを使用し最大20人の複数人で体験を共有できるコンテンツ配信サービスPORECTが提供されており、360度カメラである「RICOH THETA」で撮影した写真や動画をそのまま共有することなどが可能になっています。

実証実験としてスマートグラスで詞章(演劇作品の文章)を現実空間にAR表示することで、字幕付きの映画を楽しむように舞台上の能楽を、聴覚障がい者向けの観測支援として行っている例もあります。

ARコンテンツを最大20人に同時共有 スマートグラスを用いたサービスが開始
http://www.moguravr.com/ar-service-porect/
ARグラスで現実空間に字幕 聴覚障がい者向けに
http://www.moguravr.com/porect-ar/

WaveOptics

WaveOpticsはイギリスのWaveOptics社が現在開発を進めているAR眼鏡になります。

https://www.youtube.com/watch?v=TQD-hw131mg

Waveopticsに使用されているホログラフィック・ウェーブガイド技術は、従来のプリズムやミラーを使用してディスプレイからの光を反射する必要があるAR向けディスプレイ技術とは異なり、グラスの周辺に配置されたマイクロディスプレイからの光を使ったり、レンズの材質がプラスチックでも可能と、プリズムやミラーを使う必要がありません。

デモではサイクリング中にARで各データが表示されるシステムを提示しています。具体的な数値は出ていませんが、高い周辺視野角を実現するとして期待されています。

視野の広いARグラス開発 英スタートアップが約17億円の資金調達
http://www.moguravr.com/ar-glass-waveoptics/

Vuzix

AR/VR技術やスマートグラスを扱うアメリカの企業Vuzix社からは「M300スマートグラス」がリリースされています。また、2017年12月からは「Vuzix Blade」と呼ばれる軽量なARスマートグラスの開発者版の予約が開始されました。


M300


Vuzix Blade

「ARメガネ」デバイスのみの売上が2017年第三四半期決算(2017年7月から9月)において、100万ドル(約1.1億円)を超えた発表したVuzix社ですが、「M300スマートグラス」は、シンガポール・チャンギ国際空港で、手荷物や貨物コンテナの積み込みを行う業務に用いられています。

AR技術を活用することで、航空機の駐機場での作業効率の向上を目的に導入されているとのことです。

米AR企業Vuzix、2017年第3四半期のスマートグラス売上高は約1億円
http://www.moguravr.com/vuzix-smart-glass/

Mira Prism

本体にスマートフォンをはめ込み使用するタイプのARメガネもあります。代表例としてはバイルAR用のヘッドセットを開発するMira社が開発している『Mira Prism』です。

『Mira Prism』はiPhoneで使用できるARヘッドセットで、スマートフォンをデバイスに差し込んで使用します。

『Mira Prism』の視野角は60度で、コンテンツを操作するリモコンが同梱します。ヘッドセットを装着した人同士でAR体験をシェアしたり、iPadやiPhoneから視界にアクセスできるなどの様々な機能が搭載されており、現在99ドル(約11,000円)の開発者版をリリースしています。

スマホAR用ヘッドセット開発のMira、1億円の資金調達
http://www.moguravr.com/mira-prism-ar/


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