IDCの最新調査によると、世界のAR・VRヘッドセット市場は、直近四半期で前年同期比18.1%の成長を記録しました。Meta社が市場シェアの50.8%を占め、次いでXREAL社が新型スマートグラス「XREAL One」の好調により2位を獲得。市場の拡大を牽引しています。
市場回復を牽引しているのはMeta社で、同社は市場シェアの50.8%を占めています。次いでXREAL社、ByteDance社、Viture社、TCL社が上位にランクインしました。中でもViture社は前年同期比268.4%、TCL社は91.6%と著しく成長しています。XREAL社は2025年1月発売の「XREAL One」の好調な出荷を背景に第2位を獲得。上位企業のうち3社は光学シースルーのメガネ型ディスプレイの専門メーカーでした。一方、ソニー社やApple社は今期トップ5に入りませんでした。
IDCは、市場がより没入感の高い汎用的なデバイスへと明確に移行しつつあると指摘しています。Meta社は依然として市場をリードしていますが、XREAL社やViture社といった新興企業が支持を集めている現状は、新たな製品の形状や使い勝手が消費者に好まれていることを示しています。
また今後の市場動向について、IDCはVR専用ヘッドセットの出荷が大きく減少し、スマートグラスを含むMR・ARデバイスが主流になると予測しています。VRヘッドセットはゲームやコンテンツ視聴に用いられ、特にスマートグラスは一般消費者向けから産業用途まで幅広く利用される見込みです。
具体的な出荷台数予測では、MRヘッドセットは2025年の330万台から2029年には1520万台以上へと伸びるとされます。ただし、この数字は米国の関税問題による生産拠点変更などの影響を考慮し、若干下方修正されました。一方、スマートグラス(※IDCはERデバイスと表記)も同期間で220万台から860万台に急成長すると見られます。純粋なARデバイスも堅調に推移し、2029年には45万7000台に達する見通しです。
IDCのAR/VRチーム責任者であるラモン・T・ラマス氏は、市場が重要な転換点を迎えていると指摘しています。Meta社やソニー社などがリードしてきたVR専用デバイス市場は縮小傾向にあり、マイクロソフト社が期待を集めたAR専用デバイスも市場内で比較的小さな割合になると予測しています。
ラマス氏によれば、VR関連企業の多くがMR製品にシフトし、さらにApple社のような新規企業の参入で、MR分野は今後も注目を集め続けると予想されます。また、Google社の新しいプラットフォーム「Android XR」が今後、業界に影響を与え、多くのメーカーがこのプラットフォームを活用する可能性が指摘されています。
AR/VR市場全体の将来展望としては、製品発売の遅れにより2025年に一時的な落ち込みが予測されています。しかし、IDCは翌2026年には87%もの大幅な回復を予測し、最終的にパンデミック時のピークだった1120万台を超える見込みとしています。また、2025年から2029年にかけて市場は年間平均38.6%で成長すると予測しています。
(参考)IDC

