Home » Oculus創業者の防衛スタートアップAnduril、米軍のXRプロジェクト「IVAS」を指揮へ


企業動向 2025.02.13

Oculus創業者の防衛スタートアップAnduril、米軍のXRプロジェクト「IVAS」を指揮へ

Oculus創業者のパルマー・ラッキー氏が率いる防衛技術企業Anduril Industriesが、米陸軍の複合現実統合視覚増強システム(Integrated Visual Augmentation System: IVAS)プロジェクトの主導権を獲得したことを発表しました。IVASはマイクロソフトのMRデバイス「HoloLens 2」をベースとした軍事用システムで、2025年末までに本格的な生産開始の判断が行われる予定でした。

Anduril Industriesは、米国防総省の承認をもって複合現実統合視覚増強システム(Integrated Visual Augmentation System: IVAS)プロジェクトを引き継ぐとのこと。同社は現在、IVASに関わるハードウェア開発や製造、ソフトウェア「Lattice」の統合等を担当しています。ラッキー氏は自身のブログで、今回の発表に際し「10年以上かけて構想し、実現に向けて取り組んできた」と述べています。

IVASは米陸軍が推進する「複合現実統合視覚増強システム」プロジェクトで、実戦向けにカスタマイズされたマイクロソフトのMRヘッドセット「HoloLens 2」を活用します。このシステムは、米陸軍特殊部隊軍グリーンベレーやレンジャー、空挺師団、海兵隊の上陸部隊などで既に運用テストが行われており、2025年末までに本格的な生産開始の判断が行われる予定でした。

なお、マイクロソフトは2024年10月に「HoloLens 2」の販売終了を発表しており、現在の在庫がなくなり次第、新規販売を停止する予定です。そういった背景もあってか、2025年初めにラッキー氏が「新たなXRデバイスを数週間以内に発表する」と予告し、軍事利用を主な用途とするデバイスの登場が噂されていました。

ラッキー氏は19歳でOculusを創業し、現代のVR市場の基礎を築いた人物として知られています。2014年にMeta(当時のFacebook社)による20億ドル以上での買収を経験した後、2017年に同社を退社。その後、Anduril Industriesを設立しました。

Anduril Industriesは、最新技術を活用した防衛システムの開発を手がける企業として急成長を遂げ、2019年の時点で企業価値10億ドル以上のユニコーン企業となっています。同社が開発したソフトウェア「Lattice」は、リアルタイムで標的を認識してオーバーレイアイコンを表示する機能を持ち、戦場での脅威を迅速に認識することを可能にします。

ラッキー氏は、ブログにて「私は世界最高のHMDデザイナーです。(IVASで)最高の仕事ができることを楽しみにしています」と書いており、HoloLens 2をベースにした現在のデバイスからどのような変更もしくは刷新が行われるのか期待したいところです。

なお、ラッキー氏は現地時間2月14日金曜日に元海軍特殊部隊員Shawn Ryan氏のポッドキャストに出演することを発表。このポッドキャストでは、Andurilのシステムについてより詳しい説明が行われる予定です。

(参考)パルマー・ラッキ氏ブログ

 


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード