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話題 2026.02.20

「超かぐや姫!」の世界観を深く理解するために押さえたい現在のVR技術&ネットカルチャー要点まとめ

Netflixにて配信され、大きな話題となったアニメ作品「超かぐや姫!」。竹取物語を題材にしつつも、バーチャル空間の中でスターダムへと駆け抜けるガール・ミーツ・ガールに魅了された方も多いはず。また、VRChatでは「超かぐや姫!パフォーマンス」が開催され、20,000人以上のユーザーが接続するなど、異例の反響を呼びました。

「超かぐや姫!」の作中では、舞台については「今とあまり変わらない、少しだけ未来の世界」と語られていましたが、2010年頃から今に至るインターネット文化とバーチャル技術の多くが網羅的に押さえられた集大成的な作品となっており、現実の様々なものとリンクしている部分が多い印象です。

今回は、超かぐや姫!で描かれた世界観を理解するためのポイントを紹介します。

コンタクト装着によるVR体験

「超かぐや姫!」の世界では、コンタクトレンズ型の機器を目に装着して「ツクヨミ」という仮想世界を体験するという描写があります。
現在、VRゲームやメタバースを楽しみたいとき、一般的にはMeta Questシリーズのような頭に装着するVRヘッドセットの装着を前提としています。そのため、一見すると「超かぐや姫!」のコンタクト装着によるVR体験は夢物語のように感じられますが、実は現実でも計画されていました。

開発していたのは、米国のスタートアップ企業Mojo Vision。2022年にスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の装着テストを実施しており、体験したCEOは「言葉を失う体験」だったと評していました。しかし、のちにMojo Visionは大規模なレイオフと事業の方針転換を発表しており、現在計画は凍結状態となっています。

現状では、VRヘッドセットの軽量化やARスマートグラスの進化は続いていますが、この先、ふたたび「Mojo Lens」のようなアイデアが復活し、現実に現れるのかは期待したいところです。

オンラインで誰かと交流するメタバースプラットフォーム

「超かぐや姫!」に登場する仮想空間「ツクヨミ」。これらは現在のメタバース(またはソーシャルVR)と呼ばれているプラットフォームと非常に近しいかたちで描かれています。メタバースでは、バーチャルのアバターをまとったユーザーが、他のユーザーとボイスチャットや体の動き(モーションキャプチャー)を通して交流できるようになっています。


(画像はVRChatの「SHOW BY ROCK!! WORLD」より引用)

国内で特に人気が高いのは「VRChat」で、本作を視聴者したユーザーからもVRChatとの共通点の多さを指摘する声は多数上がっています。

本作にあるような美しく広大なワールドが多数存在している他、様々な姿で自由に交流するユーザーたちの姿が、現在のVRChatの盛り上がりと重なって見えたという視聴者も少なくないはずです。実際、現在開催中の「サンリオVfes」では、「超かぐや姫!」とのコラボライブとして、かぐやがバーチャル空間で歌唱するという原作を再現したかのような光景が大きな話題となりました。

ライブレポートはこちら。

VTuber(ライバー)参加型のランキング争奪イベント

かぐやたちが参加した、ライバーの盛り上がりがランキング形式で可視化され、上位を狙うと特典の発生するイベントはすでにあります。例えば、「REALITY」や「17LIVE」、「IRIAM」などのスマホ向けライバーアプリでは、ユーザーの同時接続数やチャットの反応の盛り上がり、ギフトの送付量など、さまざまなかたちで人気を視覚的に確認できるようになっており、さらに視聴者からの応援がイベントポイントとなり、その点数でランキング上位者が決定される仕組みが搭載されています。

超かぐや姫!ではヤチヨとのコラボ権が特典となっていましたが、実際のライバー向けアプリでもイベント出演権や人気ライバーとのコラボが特典となるケースがありました。

VTuberによる生配信・動画投稿文化

主人公のひとり「かぐや」は、もうひとりの主人公「酒寄彩葉」の部屋で配信を始めますが、これらの流れが2018年頃の黎明期から現在までのVTuber文化を追っているのが注目ポイントです。

例えば作中に登場した、Live2Dを使ったと思われる粗雑な2Dアバターでの配信、ビデオの切り替えミスで起きたVTuberの意図しない顔出し事故、プロデューサーの半分身バレといったハプニングは、現実のVTuberでも実際に起きています。


(超かぐや姫!公式によるVTuber風のショート動画)

かぐやの手さぐり的なチャレンジは、デビューしたばかりのVTuberの体当たり的な企画の数々を思い起こさせます。ひとりのVTuberが失敗しながらもチャレンジをつづけた結果、高速で人気街道を駆け上っていくときの高揚感も、本作ではよく再現されています。

複数人数参加の対戦型ゲーム

作品中盤では、敵味方に分かれターゲット破壊を狙って競い合うゲームが登場しました。チーム制で戦うeスポーツ系のゲームは近年流行しており、3人1組で最後まで生き残る「Apex Legends」や、チームで相手陣地に爆弾を設置する「VALORANT」、味方やCPUキャラとともに敵拠点を破壊していく「League of Legends」などがあり、本作で描かれたゲームは、こういったタイトルの発展型であるように感じます。

また、これらのゲームはネットやライブビューイングでの観戦も盛んです。現時点のVRゲームではこれほど大規模のタイトルやイベントは行われていませんが、VRChat内には個人の作った対戦型ゲームも存在しています。

バーチャルライブ体験(パーティクルライブ)

「超かぐや姫!」でヤチヨのバーチャルライブ中、光が乱反射したり、周囲を魚が泳いだり、水中に沈んだりと、派手なライブ演出が行われていました。こういった光を飛ばしたり、空間ごと変更したりする技術は「パーティクルライブ」と呼ばれることがあり、実際にVRChatで行われるライブパフォーマンスでも取り入れられています。

例えばVRChatのバーチャルライブの開拓者の一人として知られるVTuberのキヌさんの場合、シーンごとに舞台が次々と転換したり、視界をジャックして飲み込まれるような演出を行ったりしています。また、先述の「サンリオVfes」自体が、最先端のパーティクルライブを体験できるイベントとなっており、本作で描かれていたようなバーチャルライブを自分でも実際に体験したいなら、うってつけの機会となっています。

ボーカロイド文化とニコニコ動画

超かぐや姫!では「ワールドイズマイン」や「メルト」といったボーカロイド楽曲が採用されており、楽曲提供にはryoさん(supercell)、kzさん(livetune)、40mPさん、HoneyWorksなどボカロ文化を代表する音楽クリエイターが集結しています。これらの面々は2000年代末〜2010年代にニコニコ動画を中心に活躍していた経歴の方々で、当時のネットカルチャーの盛り上がりを知るなら欠かせない存在であると言えます。

作中でも登場する「歌ってみた」やゲーム実況、ネットアイドルなどは、もとを辿ればニコニコ動画での流行から派生しており、現代日本のインターネット文化の土台となっています。直接ニコニコ動画への言及があるわけではないものの、これらを見てきた世代にとって親しみの持てる内容になっています。

現実世界にバーチャルな存在が入り込むAR体験

物語の中盤から後半にかけて、現実世界には本来映らないはずのバーチャルな存在が見えるといった描写がありますが、このような表現はAR(拡張現実)としてとらえることができます。

現在のAR体験としては、メガネ型デバイス(ARグラス)を装着して、現実世界にさまざまなバーチャルな情報やキャラクターを表示する方法が一般的です。実際、XREALシリーズやVITUREシリーズなど、さまざまなARグラスが発表されており、装着すると、現実の景色とバーチャルなオブジェクトが自然と重なり合ったかのような映像を体験できます。

最近ではこのARグラスを装着したまま周囲のエリアを散策するような体験も提供される機会が増えてきています。例えばアニメ「攻殻機動隊」シリーズの展示会で行われたAR体験「電脳VISION」では、ARグラスを装着することで、目の前にタチコマが現れたり、展示されている原画を観るとアニメのワンシーンが流れたりと、展示により没頭できる体験ができました。


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