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VRChat 2026.02.17

【ライブレポ】VRChat最大同時接続者数を更新した「超かぐや姫!」パフォーマンス 現地では何が起きていたのか?

今は昔……ではなくて、2026年現在。
とあるアニメに登場する、おてんば娘ありけり。

この者、作中世界の仮想空間にて爆発的なバズを引き起こし、現実世界の「VRChat」にも姿を現しけり。電子の世界にて舞い歌い、二万以上もの民を熱狂の渦へと巻き込みし、いと破天荒なりし姫君。

名をば、「かぐや」となむいひける。

現在、VRChatで開催中のバーチャル音楽フェス「Sanrio Virtual Festival 2026(サンリオVfes)」において、関連イベントの一つとして実施された「超かぐや姫!パフォーマンス」。

上演ワールドには20,000人以上のユーザーが集結し、VRChat全体の同時接続数(CCU)も過去最高を記録するなど、凄まじい反響を呼んだ。本記事ではライブ本編のレポートとともに、VRChat内で広がる『超かぐや姫!』という作品の盛り上がりについて記録する。

『超かぐや姫!』とは?現実と地続きの未来を描く、令和の『竹取物語』

『超かぐや姫!』は、Netflixで独占配信中の長編アニメーション作品だ(1月22日配信開始)。『竹取物語』をモチーフとした「ガール・ミーツ・ガール」の物語であり、歌で繋がる少女たちの姿を描いている。

2025年11月に特報映像が公開されるやいなや、「ワールドイズマイン」の新規リミックスと美麗なアニメーションが話題を呼んだ。さらに同月後半には、早見沙織さんと夏吉ゆうこさんが演じる作中キャラクターによるボカロ曲の「歌ってみた」動画が次々に投稿され、さらなる注目を集めることとなる。

また、ボーカロイドだけでなく、VTuberやメタバースなどの要素が色濃く組み込まれているのも、『超かぐや姫!』の大きな特徴だ。

本編冒頭で「今とあまり変わらない、少しだけ未来の世界」と語られる本作の舞台は、仮想空間〈ツクヨミ〉。この世界では誰もが表現者であり、通貨が流通し、歌やゲームなどの活動で人々を魅了する「ライバー」が人気を博している。

VRに没入可能なスマートコンタクトレンズなど、現実世界とは技術的な差異はあるものの、これまでのフィクションで描かれてきた「未来の仮想世界」と比べれば、〈ツクヨミ〉は決して遠い夢物語ではない。VRChatなどで日常を過ごしている住人たちにとっては、「自分たちの現実と地続きの未来」としてリアリティを持って感じられたのではないだろうか。

20,000人以上が見届けた、「かぐや」の3Dお披露目

そんな『超かぐや姫!』の主人公・かぐやが、VRChatのステージでパフォーマンスを披露する――。

イベントの開催が発表されたのは、アニメ本編の配信開始から間もない1月30日のこと。SNS上で作品の評判が急速に広まりつつあった、まさに絶好のタイミングだった。

ちなみに、31日にはMV「ray 超かぐや姫!Version」を、2月1日には「ワールドイズマイン CPK! Remix」の本編ライブシーンを、YouTubeチャンネルでそれぞれ公開。それまでは無関心だった層にも『超かぐや姫!』というタイトルが届き始めていた時期とも言える。

特筆すべきは、開催1週間前に投稿された公式Xのポストだろう。

単なる「キャラクターライブ」ではなく、VTuber文化の文脈を汲んだ「かぐや 3Dお披露目」としてイベントを告知。この投稿は、まだ作品を観ていない層からも「親の顔より見た構図(VTuberのお披露目配信で定番のサムネイル形式)」として拡散され、13,000リポストを記録した。

(※告知の2日前に期間限定の劇場公開が決定したことも、作品への注目度を底上げした一因と言えるだろう。劇場公開決定のポストは驚異の70,000リポストを記録している)

そして迎えた、2月14日。

会場となるVRChatのワールドには開演前から大勢のユーザーが押し寄せ、同時接続数は24,000人を突破。しかし残念ながら、この日の上演は機材トラブルにより中止となる。

翌15日の12:00からの回は無事に上演され、27,000人を超える同時接続数を記録(参考)。追加上演を含め、世界中から集まった多くのかぐやファンが、彼女の晴れ舞台を見守った。

本編よりも動いてる!? おてんば姫の全力パフォーマンス!

「かぐやっほー!」の一声で勢いよく登場した彼女のステージは、「元気いっぱい」の一言に尽きる。

冒頭の挨拶では作品の宣伝をしっかりこなしつつ、サンリオVfesについても言及。作中さながらのハイテンションなトークを繰り広げた後、HoneyWorks書き下ろしの劇中歌「私は、わたしの事が好き。」のフルバージョンを披露した。




歌いながらもコロコロと変わる表情の豊かさは、まさに「かぐや」そのもの。会場からは「本物だ!」「そこに“いる”じゃん!」「かぐやーーー!!😭」といった感極まった叫びが絶え間なく上がっていた。

そんななか、特に観客たちを驚かせたていたのが、彼女の「動き」のキレだ。

というのもこのおてんばなお姫様は、静止画では到底伝えきれないほどに激しく、時にくねくねと、時にわちゃわちゃと、自由奔放に動き回っていたのだ。そのフリーダムっぷりときたら、「アニメ本編より動いてる!?」と驚嘆する声も上がるほどである。



SNSでも「解釈一致」との声が多く見られたが、かぐやらしさを特に感じたのが間奏パートだ。

サビではオフィシャルMVの振り付けを忠実に再現しているのだが、間奏に入った途端、手足をぶん回したり、「ふしぎなおどり」と形容できそうなユーモラスな動きをしたり、その自分の動きに自分でウケたのか、口元に手を添えて笑うような仕草をしていたりと、とにかく自由過ぎる。その予測不能な姿に、彼女らしさを感じた格好だ。

もしこれが作中の〈ツクヨミ〉での配信なら、「スーパーかぐやタイム」の弾幕で埋め尽くされていたんじゃなかろうか。




(ステージパフォーマンスとオフィシャルMVの比較。アニメーションの振り付けが再現されているので、これからの上演回に行く人はその点にも注目して見てほしい)

最後は疲れ果てて座り込んでしまった姿も、本編ライブで寝転んでいた彼女らしい。

「かぐや、配信で待ってるからさ! ぜーったいに会いに来て!」と会場に呼びかけて、最後は〈ツクヨミ〉のログアウトエフェクトと共に退場。VRならではの粋な演出で幕を閉じた。

1曲のみのミニライブではあったが、「アニメ本編の配信開始から1ヶ月以内に見られる3Dライブのクオリティではない」というのが素直な感想だ。しかも無料上演だったことを考慮すると、心境としてはまさに“感謝感激雨アラモード”である。

それに「かぐやのソロステージで20,000人以上が集まった」という実績を踏まえれば、今後の展開に期待せずにはいられない。ゆくゆくはヤチヨがVRChatの世界に降臨し、いろPが踊り、かぐやたち3人でステージに立つ日も来るのでは――?

VRChatの記録を塗り替えた熱狂と、広がる創作の輪

「かぐやがVRChatで3Dお披露目ライブをする」という、作品世界と現実世界が交差する場となった今回のパフォーマンス。短時間ではあったものの、ファンにとっては満足度の高いイベントとなったのではないだろうか。

反響としても、「27,000人」というイベント単位での同時接続数が、VRChatでも異例の数字だったことは間違いない。だがそれ以上に特筆すべきは、このイベントによって「VRChat」というサービス全体の歴代CCU記録が更新されたという事実だ。

従来は新年のタイミングで更新されることが多かった最多同時接続数が、単一の作品のイベントによって塗り替えられた。もちろん複数の要因が重なった結果ではあるだろうが、『超かぐや姫!』という作品が持つ熱量と、コミュニティの期待値が現れた結果とも言える。

また、「熱量の高さ」という意味では、VRChatコミュニティ内での二次創作の広がりも見逃せない。

(再現ワールドの1つ「超かぐや姫!星降る海 by ケセドCHESED」。VRChatではほかにもファンメイドの再現ワールドがいくつも投稿されている)

特に2月に入ってからは、「再現ワールドを作ってみた」「アバターのコスプレ改変をしてみた」という投稿が明らかに増えている。作品を楽しむだけでなく、自ら手を動かしてその世界を拡張しようとする、VRChatらしいブームが巻き起こっていると言えそうだ。

さらに印象的だったのが、14日の公演中止が発表された際の、VRChatユーザーたちの動向だ。残念がる声も聞かれてはいたが、それ以上に、「中止になっちゃったなら、こういうことをして遊ぼう!」と前向きに楽しもうとする動きが随所で見られていたのだ。

対応のために各インスタンスを走り回るスタッフさんに労いの言葉をかけたり、突発でライブを始めるアーティストさんがいたり、「せっかくだしみんなで再現ワールドに行こうぜ!」と誘い合ってポータルに消えていくグループがいたり。ほかには「#かぐや起きろ」というハッシュタグが生まれるなど、SNSでも同様の動きが見られていたようだ。

トラブルさえもコンテンツに変えてしまう、ポジティブな連帯感。VRChat住民と作品ファンのあいだで見られたこのような光景は、『超かぐや姫!』作中の「〈ツクヨミ〉ではみんなが表現者!」という価値観と見事に共鳴していたように感じる。パフォーマンスの外での出来事ではあるものの、現地ではそんな動きがあったことも記録しておきたい。

すっかり終わってしまったような書き方になってしまったが、「超かぐや姫!パフォーマンス」は3月にも3回の上演を予定している。

今からアニメ本編を観ても決して遅くはないし、未視聴のまま飛び込んでもその熱量は十分に伝わるはずだ。ぜひ一度、元気いっぱいな月のお姫様の全力ステージを体感してほしい。

最後にもう一点、今回初めてVRChatを訪れた人におすすめしたいのが、サンリオVfesで上演中のバーチャルパレードと、アーティストパフォーマンスだ。

さすがに本編そのままとまでは言わないが、『超かぐや姫!』で描かれたような最先端のバーチャル体験が、VRChatとサンリオVfesには存在している。

アニメを見て「今のVRライブってどんな感じなんだろう?」と少しでも興味を持ったなら、ぜひとも足を運んでみてほしい。そこには、いつか〈ツクヨミ〉に至るかもしれない、実在する「世界」が待っている。

「超かぐや姫!パフォーマンス」イベント情報

  • 開催日時
    • 2月14日(土) 12:00 [JST]
    • 2月15日(日) 12:00 / 18:00 [JST]
    • 3月1日(日) 18:00 [JST]
    • 3月7日(土) 12:00 [JST]
    • 3月8日(日) 12:00 [JST]
  • チケット:無料
  • 会場:VRChatワールド「Sanrio Vfes CHILL PARK(超かぐや姫)」

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