グリーホールディングスは2025年6月期の連結決算を発表しました。ゲーム、メタバース、IP、DXの4事業合計の全社売上高は538億円、営業利益は53億円でした。メタバース事業の2025年通期売上高は83億円、営業利益は7億円で着地しています。
同社が継続成長事業として重視するメタバース事業。事前の業績予想にはとどかなかったものの、2025年6月期の通期売上高は83億円、営業利益は予想越えの7億円で黒字化を達成しています。同事業は、プラットフォーム事業「REALITY」とVTuber事業「REALITY Studios」で構成されています。
プラットフォーム事業「REALITY」は、アバターを使ったライブ配信サービスです。通期売上高は71億円、営業利益は16億円となり、前年と比べ売上高は9%増、利益は23%増と順調に成長しています。決済機能の多様化などが後押しし、ライブ配信の収益化が堅調に推移した一方、アバター関連の売上は計画に届かない部分もありました。
メタバース事業を担当する取締役兼上級執行役員の荒木英士氏は、プラットフォーム事業に関して「売上構成が変化してきている。アバター関連は相対的に減少しており、ユーザーが独自の部屋を作れるルーム関連のアイテム課金売上や、ライブ配信へのギフティング売上が堅調に伸びている。これはユーザーのニーズの変化であり、この状況に対応すべく新たな取り組みを展開していきたい。」とコメントしました。
もう一方のVTuber事業「REALITY Studios」は通期売上高12億円を記録しました。ただし、新規タレントのデビューに関する初期費用などの影響で、営業利益は10億円の赤字となりました。これは新規タレントデビューに伴うアバター作成費用の増加などが要因とのこと。それでもコマース(グッズ販売など)やイベント関連の収益増加が大きく貢献しました。また、VTuber1人あたりの売上高は前期比2倍以上の伸びを示しています。
荒木氏は決算発表会参加者の質問への回答の中で、同社に現在90人前後のVTuberが所属していると明らかにしつつ、今後も継続的なタレント数の増加に意欲を見せました。
また「複数の事務所を並列で運営しており、特定のVTuberや事務所に売上を依存することなく全体として成長を加速できている」と述べつつも、「大手VTuber事務所を含む市場全体の拡大に伴い、新規VTuberのファン獲得が非常に難しくなってきている。一方で、当初予想していた課題でもあり、まずは所属VTuberの数を増やすことを第一の目標として運営をしてきた。来期以降、さらなる商品ラインナップ拡大や大規模ライブイベント、法人タイアップ広告など展開を進めていくことで、VTuberの売上効率を上げていきたい」とも語っており、成熟してきたVTuber市場での売上多角化戦略を推し進めるとしています。
2025年6月期第4四半期(4Q)に絞って見ると、メタバース事業の売上高は21億円で前年同期比10%増となりました。営業利益は1億円で、前年同期比16%減とやや利益は減少しています。プラットフォーム事業では、有力ライバー事務所との提携効果でライブ配信収益が拡大しました。一方でVTuber事業においては、新規タレントのデビュー費用など一時費用が増加しました。ただ、売上自体はコマース分野を中心に順調に推移しています。
グリーは2026年6月期のメタバース事業について業績予想も公表しています。売上高は116億円、営業利益は18億円と前期比で大幅な増収増益を見込んでいます。VTuber事業は2026年下期に単月での黒字化を目指し、有力事務所との連携やタレント1人あたりの売上増加に引き続き注力する方針です。プラットフォーム事業においてもライブ配信収益のさらなる改善を進めます。アバター関連売上の再成長を通じ、事業規模拡大も図る考えです。
メタバース事業の将来的な成長に対する期待の高さを見せつつ、実際の全社利益への貢献をさらに進めたい考えです。あわせて、新規事業の立ち上げや企業買収(M&A)を含め、メタバース領域での事業拡大を中期的な戦略として掲げています。
(参考)グリーホールディングス株式会社





