MetaのXR/メタバース部門であるReality Labs発のsEMG(surface Electro Myo Graphy=表面筋電位)に関する研究論文が、科学誌『Nature』に掲載されました。本論文では、表面筋電位を使った入力が直感的でスムーズなデバイス操作につながることを検証。幅広いユーザーに対応可能である点も示されています。
コンピューターの操作方法は、パンチカードやキーボードから、マウス、タッチスクリーンへと進化してきました。近年では、より直感的な操作が求められています。このニーズに対応するため、MetaのXR/メタバース部門Reality Labsは手首の筋電位を利用したsEMGによる操作方法を長年研究し、次世代デバイス操作の有力な候補として実用化に注力しています。
Metaが開発した初のARグラス「Orion」の試作品にも、sEMG搭載のリストバンドが採用されています。「Orion」は2024年9月の開発者向けイベント「Meta Connect」で発表されました。
sEMGを使うと、キーボードやマウスに触れることなくデバイスを操作できます。手首の微妙な動きや指のジェスチャー(タップ、スワイプ、ピンチなど)を検出して動作します。本体デバイスのカメラに手の動きを見せる必要がなく、ポケットに手を入れたままでも操作可能です。机などの平面に文字を書いて入力できる手書き認識機能も搭載しています。
Metaは同意を得た数千人の研究参加者データに基づいてsEMGを開発しており、「個々の調整を必要とせず、幅広い人の微妙なジェスチャーを非常に正確に認識できる」としています。その上で「わずかなパーソナライゼーション(個人の最適化)を行うだけで、手書き認識の精度は最大16%向上が可能」とも強調しています。
Metaは研究の推進を目的に、sEMGを使った記録データを公開しました。このデータセットには300人以上の参加者から得た合計100時間以上のデータが含まれています。
筋電位は身体に負担をかけず、自然でスムーズな操作感を提供するため、将来的に運動機能に障害を持つ人々の自立支援など、新しい使い道を広げる可能性があります。さらに、医療分野への応用も期待されています。
(参考)Meta



