2026年2月7日(土)、8日(日)、23日(月祝)の3日間、東京都足立区の体験型複合施設・ギャラクシティにて「ジャパンフェスタ in ADACHI 2026」が開催されます。
同施設で毎年恒例となっている本イベントですが、今年は特別アンバサダーとして声優アイドル「22/7(ナナブンノニジュウニ、通称:ナナニジ)」が就任。23日のリアルライブ公演をはじめ、メンバーが出演する多彩なイベントが予定されています。
その目玉イベントの1つが、同施設内のプラネタリウム「まるちたいけんドーム」にて上映されるキャラクターライブ「22/7 Star Travelers」です。
過去には舞台劇や紅白歌合戦形式の対決ライブなど、単なる「音楽ライブ」の枠を超えたキャラクター公演を届けてきたナナニジ。今回の舞台に選ばれたのは、プラネタリウムです。360度すべてがスクリーンとなる特殊な空間で、キャラクターたちと共に宇宙の旅へと繰り出します。
あわせて注目したいのが、7日に開催される「よっぴーラボ ~バーチャルの世界~」。
ニッポン放送のアナウンサーであり、VRへの造詣も深い「よっぴー」ことニッポン放送アナウンサー・吉田尚記さんが教授として登壇し、バーチャル世界の魅力を解説するイベントです。助手役の天城サリーさんと共に、VRChatで活躍するクリエイターたちのパフォーマンスをプラネタリウムの大画面で鑑賞します。
MoguLive編集部は今回、これらのプログラムの関係者向け上映会に参加。「プラネタリウム」という空間が、バーチャルコンテンツにどのような化学反応をもたらすのか。2月の本番に先駆けてレポートします。
※取材時、上映会はリハーサルとして行われたため、本編の演出は本番では一部変更になっている可能性があります。
VRChatの人気コンテンツをプラネタリウムで体感!「よっぴーラボ ~バーチャルの世界~」
ボーカロイドやVTuberに代表される“バーチャルの推し活”カルチャーをテーマに、よっぴーさんがその魅力を徹底解説する「よっぴーラボ ~バーチャルの世界~」。
この日、ギャラクシティ内のプラネタリウムでは、イベント本番に向けた調整と、当日紹介される映像の試写が行われていました。参加予定の方には“ネタバレ”になってしまいますが、本プログラムで上映予定のVRChat発の作品群を一足先にご紹介します。
キヌ
「Sanrio Virtual Festival(サンリオVfes)」をはじめ、VR空間での圧倒的なパフォーマンスで脚光を浴びるバーチャルYouTuber・キヌさん。VR世界においても唯一無二のその世界観を、今回は現実世界のプラネタリウムで体感できます。
上映は、プラネタリウムの天井が物理的に開いていくような演出からスタート。頭上で展開される光景が映像であるとわかっていても、大きな音を響かせながら半球状の構造が開口していく様子は、圧巻の迫力です。
そんな「クロスプラットフォームの旅人2026」から始まったステージは、2025年のサンリオVfesでのパフォーマンスをベースにした「voices feat.kinu (torchlight edit)」から「バーチャルYouTuberのいのち」へと展開。
重低音の中でビームが乱舞する前半から、無数の「言葉」が空間をジャックする後半へ。特に、半球状のスクリーン全面をテキストが覆い尽くし、文字の渦が流れる演出は、ドーム形状ならではの没入感を最大限に引き出していました。
これまでVRヘッドセットで何度も鑑賞しているはずなのに、実空間で全身に浴びる臨場感は思いのほか別物。自宅で見るのとはまた違った、鮮烈な印象が残る体験でした。
Beyond a bit
2023年のサンリオVfesで初上演され、現在はVRChatのパブリックワールドとしても公開されている「Beyond a bit – 想像のちょっと先へ」。
「VRの凄さが一目で伝わる場所」としてVRChat初心者に紹介されることも多い本作ですが、今回試写した4作品の中で最もプラネタリウムとの親和性が高く感じられました。
暗闇に置かれた宝箱から輝く植物が芽吹き、成長し、やがて天井を突き破って宇宙空間へと繋がっていく――。宇宙や星空を主題とする「プラネタリウム」という場において、この演出がハマらないはずがありません。
もともとVRChat向けに制作されたコンテンツでありながら、「実は最初からプラネタリウム上映を想定していたのでは?」と思わされるほど、しっくりくる映像体験でした。もし機会があれば、VRChatで見たことがある人にも味わってほしい体験です。
TORIENA
続くTORIENAさんの上映は、同じく2023年のサンリオVfesのパフォーマンスを下地とした音楽ライブです。ただしまったく同じではなく、歌詞やパーティクル演出など、ドームでの投影に合わせて細かな調整が加えられていそうな印象を受けました。
1曲目の「Break Me Down」では、巨大化したTORIENAさんが現れ、空間を破壊。周囲を生肉に囲まれる中、時には空間がサイケデリックな色合いになり、時には巨大なTORIENAさんが発する稲妻によって生肉が分解されるなど、カオスなステージが繰り広げられます。
2曲目の「デコイ」は、ハード&ヘビーな1曲目からシームレスに2曲目に移行し、モノクロの空間から展開していきます。エモーショナルな歌詞表現が特徴のステージですが、特に後半のパーティクル演出などが大幅に変更されているようでした。
演出の主軸がステージ上のシンガーに置かれているため、前の2作品と比べると、周囲を見回すシーンは少なめ。ですが、特筆すべきはその「音」です。4作品の中で最も重低音が強調されており、その音圧を全身で浴びる体験は、フィジカルな会場ならではの魅力だと言えるでしょう。
FZMZ
アニメ『シャングリラ・フロンティア』のオープニングテーマ「BROKEN GAMES」でデビューした、5人組アバターバンド「FZMZ(ファゾムズ)」。彼らの初ライブとして2024年7月にVRChatで開催されたのが、「FZMZ 1st LIVE “DEEP:DAWN”」です。
過去に何度か再演されており、そのたびにVRChatユーザーを興奮の渦へと巻き込んできた1stライブ。VRChatでは「路地裏からライブ会場へ向かう」という移動プロセスも体験の一部でしたが、今回の上映ではそのシークエンスも映像化されています。
周囲がじわじわと侵食されていくようなオープニングから始まって、アーティストが巨大化したり、大きな怪魚に食われたり、水中に落とされたり、天地が反転したり。目まぐるしく変化する空間演出は、VRの臨場感を巧みに再現しつつ、ひとつの「ライブ映像」として非常に見やすくまとめられています。
YouTubeなどで公開されていた平面映像とは明らかに一線を画す、「体験」としてのライブ。VR版を体験済みのユーザーであっても、新鮮な驚きがあるはずです。
没入感と快適性が両立する、新たなライブの形「22/7 Star Travelers」
続いて参加したのは、「22/7 Star Travelers」の関係者向け上映会。毎年開催しているナナニジのキャラクターライブですが、今回の舞台は壮大な宇宙空間。宇宙探査船・セブンスレインボーの乗組員に扮したキャラクターたちが、失われた星座を取り戻す旅に出ます。
本編は「Episode1/失われたホロスコープ」「Episode2/エメラルドの奇跡」の2部構成で、それぞれ1時間弱のボリューム。幕間には休憩も挟まれましたが、上映終了後には良質な映画を一本鑑賞したような、深い満足感に包まれました。
🌃22/7 Character Live「Star Travelers」🚀
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🚨🚨先行映像解禁🎞️
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「Episode1/失われたホロスコープ」
「Episode2/エメラルドの奇跡」
まもなく開幕🔭⸝⸝⋆˙𓂂
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22/7のキャラクターたちと一緒に、
宇宙探査船“セブンスレインボー”に乗って
星空を巡る旅へ🚀✨
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.⊹˖ᯓ★. ݁₊… pic.twitter.com/spoo50fivt— 22/7(ナナブンノニジュウニ) (@227_staff) January 16, 2026
本公演の最大の特徴は、「プラネタリウム」という会場の特性をフルに活かした、「ストーリー×ライブ×バーチャルアイドル」の融合にあります。
上映が始まると、視界いっぱいのスクリーンに宇宙船の内部が映し出され、キャラクターたちの会話を通して物語が展開。ライブシーンも合間合間に挿入され、キャラクターたちが歌って踊る様子を目の前で楽しめます。
(時には宇宙空間へと飛び出し、満天の星々を背に楽曲を披露する場面も。「宇宙」と「プラネタリウム」の親和性は、ここでも圧倒的な没入感を生み出しています)
そこで感じたのが、「客席からステージを見る」という従来の形ではなく、「自分も宇宙船の一員として、同じ空間に立ち会っている」という感覚。
宇宙船内でも宇宙空間でも、「その場で歌うキャラクターを同じ空間から応援している」という実感が得られるのは、プラネタリウム上映を前提に設計された本作ならではの強みです。
一方、演出の多くはスクリーン正面を中心に展開されます。個人的には「もうちょっと動きがあっても良さそう」と感じたのですが、あえて360度を激しく使いすぎない構成は、鑑賞の快適性を考慮したものだったのかもしれません。
というのも、ドーム映像は動きが激しすぎると画面酔いや疲労を招きやすく、特に前方の座席では視線移動が過酷になります。その点、本作は正面を向いていればストーリーもパフォーマンスも存分に堪能できるよう設計されており、長時間のライブ上映でありながらストレスを一切感じさせない、見事なバランスを実現していました。
快適性という意味では、「プラネタリウム」という会場の特性も関係しているかもしれません。
場内の傾斜によって視界を遮るものもなく、座席の座り心地も抜群。座席によっては、リクライニングでリラックスしながら、立体音響と巨大スクリーンによる深い没入体験に浸れます。
類似の体験としては映画館のパブリックビューイングが挙げられそうですが、巨大な平面ディスプレイと、360度に広がるドーム映像とでは、体験の質が異なります。もちろんそれぞれに良し悪しはありますが、「没入性を快適性を両立したライブ体験」として、本公演の完成度が高かったことは間違いありません。


(関係者向け上映会ということもあって客席は比較的静かでしたが、「ライブ当日はこのシーンや、このやり取りで歓声があがるんだろうな」と、ファンのみなさんが大盛りあがりしている光景が目に浮かぶような場面がスクリーンでは展開されていました)
ところで、ここまでいろいろ書いてきた後で恐縮ですが、筆者は恥ずかしながらナナニジの楽曲をまったく知らず、ライブを見たのも今回が初めて。そのため、「ちゃんと予習してくればよかった……!」と若干の不安もあったのですが、まったくの杞憂でした。
事前のあらすじ紹介や劇中の丁寧な個々のアイドル達の描写のおかげもあって、ストーリーを理解するのに手間取ることもなく、初見でも十分に楽しむことができました。さすがに7人を瞬時に覚えることはできなかったものの、個性あふれるやり取りを見て、声に出して笑ってしまうような場面も多々ありました。
それに何と言っても、「音楽ライブ」としての満足度の高さ! 息の合ったダンスパフォーマンスは見応えがありましたし、物語とリンクした楽曲の選曲も最高です。
キャラクターとパフォーマンス、ストーリーと選曲、そして今回のプラネタリウムという会場も含むすべての要素が、宇宙という壮大なロケーションで見事に結実していました。
「バーチャル空間の再現媒体」としてのプラネタリウム活用
今回取り上げたような、臨場感のあるバーチャルコンテンツを現実世界で体験できるイベントは、近年増加傾向にあります。
高精細ディスプレイを用いた360度映像によってバーチャル世界を周囲に投影したり、立体音響によって臨場感を高めたり、空間再現ディスプレイによってキャラクターを立体的に描写したり。いわゆるロケーションベースエンターテインメントも世界的に普及が進んでおり、「リアルで体感する没入型コンテンツ」はますます存在感を高めていくことでしょう。
(1月上旬に開催された「PULSE DOME」。新宿・歌舞伎町の中心に位置するシネシティ広場にドーム型シアターが現れ、その内部でさまざまな作品が無料上映されました)
(「よっぴーラボ」の試写で上映された4作品はこの「PULSE DOME」のプログラムと共通しており、内容もほぼ同じものでした。ちなみに「PULSE DOME」と「22/7 Star Travelers」は、どちらもソニー・ミュージックエンターテインメントが関わっているプロジェクトです)
そのような流れの中で、今回取り上げたジャパンフェスタの2つのプログラムは、「VRコンテンツの拡張性」と「リアルでも没入できるバーチャル体験」の可能性をそれぞれ示したものであると言えそうです。
VRChatというバーチャル空間を前提に作られたコンテンツが、プラネタリウム(ドーム型シアター)という実空間に違和感なく移植できること。そして、プラネタリウム上映を前提としたバーチャルキャラクターの音楽ライブが、VRヘッドセットなしでもこれほどの熱狂を生み出せること。
かつては星空を学び、宇宙に思いを馳せる場所だったプラネタリウムは今、「バーチャル空間を現実世界に再現するための、最も身近で巨大な空間媒体」としての新たな役割を見出されつつあるのかもしれません。
言い換えればそれは、「巨大なVRヘッドセットの中に入る」ような体験でもあります。XRやイマーシブを標榜する最新のエンタメ施設も次々に誕生している近頃ですが、慣れ親しんだはずのプラネタリウムでこれほどの没入体験ができるとは驚きでした。
VRChat上の優れたコンテンツが、全国のプラネタリウムで上映されるようになるかもしれない――。そんな未来を期待せずにはいられませんが、今回のプログラムも含む一連の試みを見ていると、もうひとつの可能性も思い浮かびます。
それが、プラネタリウムが「VTuberライブの新たな聖地」になる可能性です。
現実世界で開催されるVTuberの音楽ライブといえば、従来は平面モニターや透過スクリーンのような「窓」を介した鑑賞が一般的でした。しかし、ドームという巨大な空間そのものをバーチャル世界に変えてしまうこの手法は――VRほど直接的ではありませんが――ファンを窓の外から「世界の内部」へと引き込む試みです。
観客はXRデバイスを準備する必要はなく、ドーム内に再現されたバーチャル世界に集まることで、平面モニターよりも強い臨場感を感じながらライブを楽しめる。VRのように至近距離で触れ合うことは叶いませんが、生身のファンが大勢集まることで生まれる熱と一体感が、そこにはあります。
もし今後、VR世界で活躍するクリエイターとVTuberが手を取り合い、このドーム空間を前提としたコンテンツが増えていくとしたら――? 「バーチャル×ドーム型シアター」の今後の展開が楽しみでなりません。


























