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活用事例 2017.01.27

2016年に資金調達を行った国内のVRスタートアップ

VR元年と言われた2016年には、Oculus RiftやHTC Vive、PlayStation VR(PSVR)など、ハイエンドVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)の製品版が立て続けに発売されました。また、それと同時に国内外問わず多くのVR関係の開発をするスタートアップが資金調達を実施しています。今回は、2016年に資金調達を行った国内のVRスタートアップを紹介していきます。

FOVE

視線追跡を搭載したVRHMD「FOVE」を開発するFOVEは、2016年3月に総額1,100万ドル(12.5億円)の資金調達を実施しました。

この資金調達は、Colopl VR Fundをリードインスペクターとし、鴻海(ホンハイ)ベンチャーキャピタルファンド“2020”、Samsung Venture Investmentが参加したものになります。製品版FOVEの量産、R&D;体制の強化、視線追跡機能を活用したコンテンツの拡充を目的としています。

日本を開発拠点とするFOVE。視線追跡機能の搭載による新たなコントロールや「感情のVR」の実現が期待されているほか、日韓のネットカフェへの展開も発表され、注目を集めています。

開発者向けの「FOVE 0」は2017年1月から発送が始まっています。

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ナーブ

VRクラウドを提供するナーブ株式会社は、2016年5月に株式会社ジャフコが運用する投資事業組合などから2.5億円の第三者割当増資を実施しています。

資金調達の目的は、経営基盤の強化、VRクラウドにおける開発・マーケティング強化と人材拡充の加速としています。

ナーブ株式会社は、東京都に本社を構えるスタートアップで、VRクラウドを利用して不動産仲介業者向けの『VR賃貸TM』や、外国人旅行者向けの『VR観光』といったマーケティング効果を狙ったソリューションサービスを提供しています。

(参考)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000019146.html

InstaVR

InstaVRは、2016年8月にグリーベンチャーズ株式会社をリードインスペクターとし、Colopl VR Fundを割当先とした約2億円の第三者割当増資を実施したほか、米シリコンバレーのベンチャーキャピタル「The Venture Reality Fund」を割当先とした第三者割当増資を2016年9月に実施しています。

ウェブベースでのVR作成/配信/分析のツールソリューションである「InstaVR」を提供している企業であり、すでに世界100ヶ国、2000社に利用されています。資金調達は開発速度の向上や導入増のためとのこと。

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ジョリーグッド

株式会社ジョリーグッドは、2016年8月に株式会社gumiから1億円の資金調達を行っています。

ジョリーグッドは、テレビ局、制作会社向けのVR導入ソリューションである『GuruVR Media Pro』などを開発・運営しています。『GuruVR Media Pro』は、北海道放送の「HBC VR」、MTS&プランニングの「アクアマリンふくしまVR」、東海テレビのSKE48「美浜海遊祭2016VR」、テレビ西日本の「VR九州」など、地方のローカルテレビ局を中心に採用されています。

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ハコスコ

スマートフォン向けの簡易型VRヘッドセット「ハコスコ」を開発、販売する株式会社ハコスコは、2016年5月にアイ・マーキュリーキャピタル株式会社から5,000万円の資金調達を行いました。

また、資金調達実施時点で提携していた凸版印刷株式会社、株式会社ポニーキャニオン、株式会社博報堂/株式会社博報堂プロダクツに加え、新たに株式会社KDDI、株式会社ミクシィ、エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社、グリー株式会社、株式会社アマナの5社と提携。

女性や高齢者などのVRに関心のないユーザー層に対しても日常的なメディアとしてVRを普及させ、事業拡大を目指しています。

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クラスター

VR空間で大規模なイベントを開催できる『cluster.』を開発運営するクラスター株式会社は、2016年4月にSkyland Ventures、East Ventures、個人投資家から約5,000万円の資金調達を行いました。

VR空間内でアバターを用いた集会、イベントなどを開催できる『Cluster.』は、同プラットフォームで開催されたLT大会にOculus VR創業者のパルマー・ラッキー氏が参加したり、『Unite 2016 Tokyo』の基調講演の中継に利用されるなどして注目が集まっていました。

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VRize

VR内広告システム『VRize Ad』などを運営する株式会社VRizeは、B DASH VENTURES株式会社、株式会社Speeeを引受先とした第三者割当増資を実施しました。詳細な調達額は不明ですが、累計での資金調達額は数千万円ほど。

また、VRizeは、新サービスとしてマルチプラットフォームのVR動画アプリを制作するCMS『VRize Video』も発表しています。

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よむネコ

VR脱出ゲーム『エニグマスフィア』を手がけた株式会社よむネコは、Tokyo VR Startupsから支援の支援を受けたほか、株式会社gumi、みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合、株式会社ヴァンガードを引受先とする第三者割当増資を2016年11月に実施しました。詳細な調達額は非公開です。

もともとスマートフォン向けの脱出ゲームを制作してきたよむネコ。これまでのノウハウを元に、VRならではの体験ができるVR脱出ゲーム『エニグマスフィア』を制作。『エニグマスフィア』は、ハンドコントローラーOculus Touchに対応したゲームになっています。

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桜花一門

株式会社桜花一門は、Tokyo VR Startupsから支援を受けています。また、2016年11月にはPCブランド「マウスコンピューター」などの展開を行う株式会社MCJからも出資を受けています。こちらも詳細な調達額は非公開です。

株式会社桜花一門は、VR開発者コミュニティ「JapanVR Fest」の運営のほか、PSVR向けのゲームコンテンツの開発を行っています。2016年7月に開催された「Unity VR EXPO AKIBA」では、PSVR向けの一人称視点アクションゲーム『Chaine Man(仮)』を展示していました。

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