大手ファッションチェーン、ZARA(ザラ)が2018年4月からAR(拡張現実)を活用した展示を導入することをロイターが報じました。
ZARAは大手ファッション小売業、Inditex(インディテックス)が展開するファッションブランドです。今回店頭にARを導入することで、ミレニアル世代を店舗へ取り込むねらいです。
店舗で特別な体験ができる
ここ数年で、Amazonなどのオンラインショップ上で服を購入する20代から30代前半の利用者が増加しています。衣料品小売業はこの層の顧客を店舗へ呼び込むため、心に残る製品のデモンストレーションや、店舗でしか体験できない特別なコンテンツへの投資を重要視しています。
ZARAでは店内やショップウィンドウにスマートフォンが近づくとセンサーが検知し、スタイリングされたモデルが表示されます。顧客はモデルが着用している服をクリックするだけで購入も可能。顧客がオンラインで購入した商品を表示させることも予定しています。
良好な経営をする店舗型ショップのInditex
アナリストたちは「ファッションショーから数日後に店舗で最新商品を売り出すことで知られるInditexは、オンラインショップからの猛攻撃をうまくかわしている」と分析しています。フランス大手金融機関ソシエテ・ジェネラルのアナリストであるAnne Critchlow氏は、レポートで「現在、小売業界の実店舗を持つ企業で、オンラインの影響を受けていないところは非常に少ない。しかしInditexは比較的良い経営されている貴重な例です」と述べています。
競合他社のH&M;も、カスタマーエンゲージメントを強化する技術への投資を行っていることを、2月に開催された投資家への説明を行うイベントで話しています。
ZaraのARを活用した展示は4月18日より世界120店舗で開始予定です。
(参考)Reuters