
XREAL Air 2(左)と、楽天モバイルのデータSIMで5G回線が使えるようになっているXREAL BEAM Pro 5G
主にスマートフォンの、メガネ型外部ディスプレイとして使うXREAL Airシリーズ。多モデル展開、カラバリ展開、そして仕様さえ満たせばAndroidでもiPhoneでも使えることもあり、ARグラス市場の中で高いシェアを誇っています。
(これはコンシューマー向けARグラス全般にいえることですが)難点だったのは、対応しているスマートフォンがわかりにくいということ。XREAL公式サイト上の動作確認リストにはSamsung Galaxyシリーズの一部など、50機種ほどのモデル名が記載されていますが、なかには一部機能が使えないものもあってわかりにくい。
そこでXREALは、XREAL Airシリーズのポテンシャルを引き出すAndroidデバイス「XREAL BEAM Pro」を2024年8月6日より発売開始。さらに12月中旬より、5G回線が使える「XREAL BEAM Pro 5G」を発売します。東京ゲームショウのXREALブースに「XREAL BEAM Pro 5G」の実機があったので見せてもらいました。
スマートフォンに見えるけどスマートフォンじゃないAndroidデバイス

星マークのシールは、東京ゲームショウの現場で5G対応版かどうかを見分けるために貼ったそうだ
「XREAL BEAM Pro 5G」の基本スペックからお伝えしよう。2,400×1,080ピクセルの解像度を持つ6.5インチディスプレイに、Snapdragon spatial companion processorをSoCとして採用した、スマートフォンに見えるけどスマートフォンじゃないAndroidデバイスです。
メモリは8G。ストレージは256GB。27WのUSB急速充電に対応し、バッテリー容量は4300mAh。SIMスロットのほか、最大1TBのmicroSDカードスロットも備えます。
外観上の大きな特徴の1つは離れた位置にある2つのカメラレンズ。これはXREAL Airシリーズで見ることができる立体視動画を撮影するためのステレオカメラで、だいたい人間の子どものIPDに近い50mm離れた位置にインストールされています。
また充電用のUSB Type-Cポートと、通信用/ARグラス接続用のUSB Type-Cポートの2口を備えているのも特徴です。
お値段は4万7980円。スペックを考えれば、とてもお買い得なモデルです。音声通話の発信や受信はできないため、やっぱりスマートフォンに見えるけど、スマートフォンじゃない。Androidデバイスではあるのですが。

見えにくいが画面の右上に、5G回線と接続していることを表すアンテナピクトが表示されている
Wi-FiモデルだったXREAL BEAM Proとの違いは、通信SIMをいれることで各キャリアのモバイル回線が使えるようになること。Wi-Fiモデルは無線LAN環境または他のスマートフォンのテザリングを使わなければ、XREAL Airシリーズでオンラインコンテンツを見ることができませんでした。
「XREAL BEAM Pro 5G」ならば、モバイル回線と繋がる場所であれば、面倒な手間をかけずにNetFlixやAmazonプライムといったサービスの映像を、XREAL Airシリーズに映し出すことが可能です。
新幹線にXREAL BEAM ProとXREAL Air 2 Proを持ち込み、東京から大阪まで積みアマプラの消費に勤しんだことがあります。乗客が多かったこともあり、無料Wi-Fiサービスでは通信速度が遅くて頻繁に映像が一時停止になりましたが、帰りに自分のスマートフォンでテザリングをしたときはトンネル以外快適そのもの。XREAL Airシリーズのようなデバイスの魅力を引き出すには、5G回線対応の「XREAL BEAM Pro 5G」はオススメできます。
XREAL Airをリッチなゲームのための大画面と考えるとややスペック不足か

XREAL Air 2の体験コンテンツとして用意されていたのはドライビングゲームのレーシングマスター
ストリーミング配信される映画やドラマ、アニメ以外を楽しみたい場合はどうでしょうか。「XREAL BEAM Pro 5G」で使われているSnapdragon spatial companion processorは、Snapdragon 6 Gen 1と同等の処理能力を持つ様子。最新ミドルクラスのSoCの代表格で高い処理能力を持ちますが、このスペックではフレームレートが下がってしまうゲームタイトルもあります。
東京ゲームショウのXREALブースでは、XREAL Air 2の体験コンテンツとしてドライビングゲームのレーシングマスターを用意していました。「XREAL BEAM Pro 5G」+XREAL Air 2だとコマ落ちがあるのか、他社のスマートフォンを使ってデモをしていたのが印象的。そして世の中にはレーシングマスターよりもSoCに高い負荷をかけるゲームタイトルもあります。
屋外で、ゲームに没頭するためのディスプレイとしてXREAL Airシリーズはとても秀でた存在です。主観ですが、50cm先(ノートPCのディスプレイの位置)に20~30インチのディスプレイがあるように感じるため、気軽に1つのコンテンツに没頭するには最適なのではとも感じます。
だからこそ様々なモバイルゲームを心ゆくまで楽しめる、「XREAL BEAM Pro 5G」以外のベストパートナーも知りたいという願いが脳裏をよぎります。Snapdragon 8シリーズを搭載し、XREAL Airシリーズのすべての機能が使えるゲーミングスマートフォンとの共創が、XREAL Airシリーズの魅力をさらに引き出すのではないかと考えてしまいます。
一点集中+αな使い方をするなら現状のベストモバイルディスプレイ

46度の視野角は狭いと言われるが、個人的には価格を含めて納得がいくもの
ところで先日公開されたMetaのARグラスOrion。Meta Connect 2024基調講演での扱いを見ても、Metaが同プロジェクトに並々ならぬ意欲を示していることがわかりますし、海外のビジネスメディアでの記事を見ても、VRベースのXRヘッドセットよりも期待できるといった(ある意味失礼な)紹介がされていました。
個人的には70度という視野角を可能にした点を高く評価しています。これも主観ではありますが、70度といえば大人が小ぶりなブレームのメガネ/サングラスをかけたときに見える視野に近いもの。しかしこの仕様は高くつく。基調講演の発言にもあったように、いますぐ市販機を作ったとしても個人がおいそれと購入できる価格とはならないでしょう。それこそアップルのApple Vision Proのように。
対して、XREAL Airシリーズのようなコンシューマー向けARグラスの視野は40度前後です。XREAL Air 2/2 Proで46度、XREAL Air 2 Ultraで52度となっています。
この視野角は狭いと言われます。メーカーは「(◯メートル先に)数百インチの大画面!」といったセールスコピーで商品をアピールしますが、視差の兼ね合いで眼前にディスプレイが浮かんでいるように感じるため、実際の画面サイズは前述したように20~30インチくらいと脳が理解します。
セールスコピーとの数値の差はたしかに著しいものがあります。とはいえ使ってみるとこれが悪くない。ゲームで遊ぶときに大きすぎるディスプレイを使うと目が行き届かずに見落としが増えてしまいがちですが、XREAL Airシリーズの画面の広さなら体力ゲージなどのインジケーター類も見ながら戦場の状況把握ができるんですよね。
またXREAL Airシリーズは表示部以外にもデジタル情報を広げることが可能なため、ゲームや配信画面の仮想ディスプレイを視野角全体を覆うようにセットして、首を振って横を見ると攻略サイトや動画のコメントが見られるようなセッティングにすることで、必要なときだけ必要な情報が眼に入ってくるようにすることも可能です。
ブラウザウィンドウ、ドキュメントウィンドウにToDoリストや時計ウィジェットなど、様々な情報が一堂に介している空間コンピューティング的な使い方をするには適しません(だからこそOrionの視野角の広さに期待がかかっています)。でも一点集中+αな使い方であれば、既存のARグラスでも十分が表示エリアがあります。なんといっても10万円以下で購入できる価格帯で販売されていますから、使い方次第ではハイコスパなデバイスといえそうじゃないですか。
