ARコンタクトレンズの開発を手がけるXPANCEOは、フランスの固体電池スタートアップITENと共同で、マイクロ固体電池を内蔵したARコンタクトレンズの概念実証(PoC)の開発を発表しました。
コンタクトレンズ型デバイスに従来の電池を使用する場合、厚みや耐久性、眼への安全性といった課題があります。XPANCEOは、瞬きによる機械エネルギーや涙液との電気化学反応、内蔵ソーラーセルなど、身体や環境から得られるエネルギーを一部の動作に活用しています。一方で、AR映像の表示にはミリワット級の持続した電力が必要であり、高密度なエネルギー貯蔵の実現が不可欠です。
ITENが開発する固体電池は、独自のメソポーラス構造(※多孔質の微細構造)を持つ完全セラミック電極を採用しています。リチウムイオン電池とは異なり、漏液・膨張・発火が起きない安全性が特長です。小型でありながら高い出力密度を持ち、AR表示や無線通信に必要な瞬間的な電力供給にも対応します。同社は2025年5月から第1世代の固体セラミックマイクロ電池の量産を開始しており、この電池がXPANCEOのコンタクトレンズに搭載される予定です。

スマートコンタクト用プロトタイプマイクロバッテリー|画像:XPANCEO
XPANCEOは「今回の概念実証により、高出力密度の蓄電技術を量産し、コンタクトレンズに安全に統合できることが示された。スマートコンタクトレンズの商業化に向けた重要なマイルストーンだ」とコメントしています。ITENのCEO、ヴァンサン・コベー氏も「スペースが限られた環境でも、性能と信頼性を両立できる新世代のインテリジェントシステムを実現する」と期待を示しています。
XPANCEOは2021年にUAEで設立されたスタートアップです。ARコンタクトレンズのほか、健康モニタリング機能の研究開発も進めています。2025年7月のシリーズAで2億5000万ドル(約387.5億円)を調達し、企業評価額は13億5000万ドル(約2,092.5億)に達しています。
参考
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