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VTuber 2019.03.26

VTuber界の“虫愛づる姫君”  生き物大好きお嬢様「カルロ・ピノ」が持つ、ありのままの魅力

3月26日、アイドル部の「カルロ・ピノ」さんが執筆した虫についての雑学本「ぴのらぼ おいしい虫さんたち みんなでやりたい虫クイズ」が発売する。同じアイドル部の八重沢なとりさんが挿絵を担当しており、VTuber(バーチャルユーチューバー)がつくる書籍というだけでも特筆すべきことだが、さらに注目したいのは「ぴのらぼ」とは元々カルロ・ピノさんの配信の1コーナーであるということ。

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カルロ・ピノさんはVTuberプロダクション「.LIVE(どっとライブ)」アイドル部のメンバー。虫をはじめとした生き物全般が大好きなお嬢様で、配信などで生き物について心底楽しそうに話す姿が印象的だ。彼女がもつ魅力を存分にお伝えしよう。

好奇心旺盛、生き物を愛するお嬢様

カルロ・ピノさんが初めて配信を行ったのは2018年5月4日。アイドル部は元々2Dモデルで活動を開始し、プロデューサーを務めるばあちゃるさんの当時のYouTubeチャンネル登録者数である5万人前後を目安に3D化することを目標としていたため、この時点では2Dモデルで配信を行っている(現在は12人全員が3D化を達成)

アイドル部12人のうち11人が17歳の高校生である中、唯一の中等部在籍の14歳であり、他のメンバーにマスコット的な可愛がられ方をされることも。初配信では独特なタッチでアイドル部の面々のイラストを描いて紹介している。

そんなカルロ・ピノさんを語るうえで外せないのは、生き物全般、特に虫が大好きだということ。知識の幅はかなりの広範囲に渡り、視聴者からのかなりマニアックな質問にもすらすらと答えている。虫に対する好奇心はとても強く、昆虫食を試してみたことがあるほど。曰く「蜘蛛は酸っぱい」らしい。

彼女の関心の対象は広く深く、ゲーム配信でも深海を散歩する「ABZU」、ポケモンを撮影する「ポケモンスナップ」、恐竜サバイバルアクション「ARK」をプレイするなど、現代や現実ではお目にかかれない生き物にも興味を持っている。いずれも年相応の無邪気な歓声を上げながらプレイする様が微笑ましい。

幼い頃にカラフルな芋虫を持ち帰り育てたところ、綺麗なオオミズアオ(蛾の一種)に成長したことに感銘を受けたことが虫に興味をもったきっかけとのこと。自宅の庭では数多くの虫を放し飼いにしている、犬や猫からイグアナまで非常に多くの動物を飼っている祖父の屋敷によく遊びに行っていたなどのエピソードから、お嬢様ならではの豊かな環境で育まれたことが伺える。

生き物に関連したニュースの紹介など、生き物について取り上げる配信は数多い。神秘的かつ合理的な生き物の世界を目を輝かせて語るカルロ・ピノさんを見ていると、純粋な「知ること」の楽しさを再確認できるように思える。

カルロ・ピノさんは虫が大好きだからこそ、虫が苦手な方が少なくないこともよく理解している。見た目がショッキングな昆虫について話すときは注意喚起をし、姿かたちを説明する際は自作のデフォルメイラストを使用するなど、細やかな配慮を欠かさない。苦手な人への配慮を忘れずに好きなものを語るさまは、虫に限らず趣味を持つ者として理想的な姿だと言えるだろう。

視聴者参加型の生き物研究室「ぴのらぼ」

そして、カルロ・ピノさんの生き物への興味・知識がフルに活かされた配信が「ぴのらぼ」だ。

「ぴのらぼ」は、授業形式で虫や生き物の生態を知って楽しむ配信。授業と言っても堅苦しさは全くなく、生き物についてのクイズを交えて生き物について話をするのが主な内容だ。授業内容は実在の生き物にとどまらず、「しゃちほこ」「キマイラ」といった空想上の生物の生態を考察するというユニークな試みも。配信内で語られた「想像上の生き物を想像で終わらせたくない」という言葉が印象深い。

「ぴのらぼ」は全体を通してコメントへの反応も多く、視聴者が考えてみたくなるような様々な工夫に溢れている。ただ配信を見るだけでなく、「ピノ先生の授業に参加する」という相互コミュニケーションを体験することが出来るのだ。

ひと味違うゲームチョイス・スタイル

カルロ・ピノさんのゲームチョイスはVTuber界では比較的珍しいものが多く、「スターフォックス64」「マリオストーリー」「ポケモンスタジアム金銀」といったレトロゲームから、「Witch it」などのSteamの隠れた良作、カードゲーム「ARTIFACT」まで、妙味のあるラインナップとなっている。

中でも興味深いのは「モンスターハンターダブルクロス」の配信。「モンスターハンター」はモンスターを狩るアクションゲームだが、カルロ・ピノさんはモンスターを生態調査するという視点でプレイしている。調査はかなり本格的で、調査対象のモンスターについての事前ブリーフィングを行うという徹底ぶりだ。VTuber視聴者が見慣れたゲームであっても趣向を凝らし、新たな楽しみ方を生み出しているのは見事の一言に尽きる。

「リトルナイトメア」「深夜廻」といったホラーゲームでは、14歳とは思えないほど肝が座った彼女を見ることができる。通常であれば驚くポイントを冷静に対処しつつ、虫を模したモンスターを見てテンションを上げる。本来の楽しみ方とは少しだけ異なるかもしれないが、これはこれで大いに楽しめる。

ありのままの自分で、ありのままに楽しむ

カルロ・ピノさんは、自身が好きなものについて人に興味をもたせることに長けている。「ぴのらぼ」配信は最たる例だろう。筋道たった説明や視聴者への手厚い配慮に加え、何よりも生き物が好きだという素直な感情がとことん伝わってくるため、見ていてとても心地いい。「ぴのらぼ」の書籍化は、こうしたカルロ・ピノさんの姿勢や熱意が実った結果だと筆者は考えている。

「ぴのらぼ」の挿絵を担当する八重沢なとりさんは、カルロ・ピノさんの誕生日に自作の絵本「ありのおひめさま」をプレゼントしている。「ありのおひめさま」は、何者かに変わりたいと願うアリのお姫様が白銀の馬や魔女、ダンゴムシ、さくらんぼといった様々な存在に出会う物語。作中に出てくる「自分を好きになって、みんなを好きになる」というフレーズは、まさにカルロ・ピノさんやアイドル部の在り方を表している。

“ありのまま”の自分で、好きなものを好きなだけ追求していくカルロ・ピノさん。彼女のさらなる活躍に注目したい。

以前MoguLiveで紹介したアイドル部メンバーの記事はこちら。

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