3月27日、中国のHYPEREAL社は北京で新製品発表会を開き、2つの新型VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)「Pano Basic」と「Pano PRO」を発表しました。
発表によると、Pano Basicの価格は2,499元(約4万円)、Pano PROは3,699元(約6万円)となります。また、対応する価格799元(約1.3万円)のVRコントローラーSENSも発表されました。
Pano Basicは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが開発・販売を手がけるPlayStation VRの形状に似ています。解像度は2160×1200の有機EL、リフレッシュレートは90Hzで視野角は120度、遅延(レイテンシー)は11ms以下です。動作可能なPCのグラフィック性能は、Oculus RiftやHTC Viveと同じくGeForce GTX970以上となっています。
Pano PROは、Pano Standardとディスプレイとしてのスペックは変わらず、前面にIntelのカメラRealSenseが搭載されています。
PanoシリーズはトラッキングシステムにOculus Riftのセンサーのような赤外線カメラを1つ使用します。VRコントローラーSENSは、Oculus社によるハンドコントローラ・Oculus Touchのような形状となっています。
HYPEREAL社CEO黄柴铭氏は、上記のデザインなどについては、使いやすさを求めた結果だと述べています。実際の使用感については、ユーザーからは好評の声が上がっているとのこと。
Pano BasicとハンドコントローラーSENSを購入した場合、総額は5万3,000円程度となります。Oculus Riftは、2017年3月に値下げによりOculus Touchコントローラーとセットで7万6,600円(送料込)で購入可能になっており、その価格差は2万円強です。
プラットフォームは自前で用意
発表会でHypereal社は、大手ゲームメーカーUbisoft社などとの協力も発表しました。
また、Hypereal社は29元(約470円)、69元(約1,100円)、109元(約1,800円)の会員制度を導入、109元級の会員はプラットフォームのほぼ全てのコンテンツが利用できます。Steamで単品のVRゲームを買うのに比べ、安価な価格設定となっています。
今後の展開について
黄柴铭氏によると、同社の70%の人員は現在、技術開発に専念しています。しかし、技術があればいいという話ではなく、商品化して市場のニーズを応えられなければ意味がないと考えているとのこと。オープンソース化を進めています。
同社は現在も資金調達を受け、次の製品を準備していますが、サプライチェーンをうまく構築することが重要だと黄柴铭氏は話しています。
PC向けのVRHMDに関しては、2017年中にマイクロソフトが299ドル以上でPC向けのVRHMDをメーカー各社から発売すると発表しており、引き続き低価格化が進行しそうです。
(参考)
HYPEREAL发布两款PC VR头显,2499元起!
http://www.7tin.cn/news/87401.html
野蛮生长,中国式打法:Hypereal登榜VR世界前三了?
http://www.7tin.cn/news/87437.html