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業界動向 2018.08.31

VRはもう「終わり」?  いいえ、まだ始まったばかりです

(※本記事は、2018年7月26日にHTC社の公式ブログに掲載された、VIVEチームの記事を翻訳したものです。)

最近、アナリストレポートを根拠に、VRが衰退に向かっていると主張する報道がありました。「VRは死んだ」というニュースは毎年のように流れていますが、そこには大きな誇張があります。

アナリスト予測について知っておきたい4つのポイント

だからといって、VRに関するアナリストの予測に価値がない、というわけではありません。そこにはもちろん有益な情報が含まれています。しかし、アナリストたちが「VRは終わり」という結論に至った理由について、詳しく分析することも有用だろうと私たちは考えました。

1) 「コンシューマー向けVR」は当初、GearVRやGoogle Cardboardなど、スマートフォンを用いるタイプのものが主に牽引していました。消費者がVRに期待する水準が高まり、こうした機器でそれに応える魅力的な体験を提供するのは難しくなっているため、主として携帯電話の新機種のプロモーションに使われていたものは消えていったのです。

2) プレミアムなVRは徐々に地盤を固め成長していますが、主要プレイヤーは市場の勢いを実証するような具体的な販売データをまだ明らかにしていません(ご参考になる表を後半で公開いたします)。

3) VR体験の質は全体的に向上を続けています。解像度や快適性が強化されたVIVE Proが登場し、VRコンテンツやアクセサリも増えています。わずらわしいケーブルも今後は減っていくでしょう。しかし、アナリストたちはそうした改良による転換点を予測してはいません。

4) ビジネスによるVRへの投資は、特にロケーションベースのエンターテイメント(施設型VR)やトレーニング・研修分野で大きく増えています。そうした数字は消費者予測には影響しないので、アナリストのレポートにも含まれていません。 

報道されたVR機器販売傾向について

2018年7月19日、Digital Trendsに、サードパーティーによるAmazonに関するデータを引用し、HTC VIVEの売れ行きの急落傾向を指摘する記事が掲載されました。おそらくそれがきっかけで、ネット上にVRに関する不安や動揺が広がったものと思われます。

しかし、記事に書かれていることは全体の一部にすぎません。このような変化が表れたことには理由があります。

HTC VIVEは何週間にもわたって過去最高レベルの販売ペースを維持しつづけており、現在品切れになっています。発売から3年目を迎えるコンシューマーエレクトロニクス製品としては、前代未聞といってもいい伸びが続いています。

現在HTC VIVEについては生産体制の強化にあたっており、オンラインストア、実店舗両方に向けて供給を再開する予定です。

こうしたことには時間がかかるものである

今後VRが開く可能性について理解が広がるにつれ、評判が評判を呼び、売れ行きはさらに伸びてゆくことでしょう。VR業界にとって大切なのは、機器を売るだけでなく、顧客とビジネスの両方に発展をもたらす道を確立していくことです。

International Data Corporation(IDC)のように、その点を的確にとらえているインテリジェンスファームもあります。同社の分析は、HTC VIVEがVR市場での収益において最大のシェアを占めていることを示しています。つまり、弊社(=HTC)が消費者とビジネスに対して行ってきた投資は、実を結んでいるわけです。

消費者が手にしたVRヘッドセットでできることは増え、ビジネスにとってはそこから収益をあげる道が見えているということです。それはまさしく私たちが願ってきた展開でもあります。

弊社はHTC VIveが、PCベースでもスタンドアロン(オールインワン)でも、プレミアムVR分野において最高の体験を提供していると自負しております。

一体型VR(スタンドアロン)製品であるVIVE Focusは中国で発売されて以来、急速に普及を遂げています。中国では一体型VFRヘッドセットにおけるシェア第1位であり、弊社のWaveVRプラットフォームは中国における一体型ヘッドセットのシェア上位4機種のうち3機種で動作します。Focusについては他の市場への展開も予定しており、詳細は今後随時お知らせしてまいります。

新しい技術が定着するまでには時間がかかるものです。弊社と共にその取り組みの始まりに加わってくださっている皆様に感謝いたします。
– VIVEチーム一同


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