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話題 2020.05.21

VRフィットネスで人は本当に痩せるのか? 実際に検証してみた

5月2日、記者(ゆりいか)は「自宅で楽しく体を動かそう! “VRフィットネス”オススメ5選」という記事を執筆し、文章の締めに「これを1ヶ月以上継続して効果が出てくるのかですが、それについてはまた次回」と書きました。

あれから(フィットネス体験開始から)およそ1ヶ月が経ち、自分の身体に実際に変化はあったのか? これまでのフィットネス内容とともに紹介します。

VRフィットネスは痩せます

結論から伝えると、痩せました。初回計測時に74.9kgだった体重は72.7kgと、2.2kg減。体脂肪は32.1%から27.2%(いずれも空腹時に計測)に変化しました。「1ヶ月5kg減!」のような劇的な変化はありませんでしたが、確実に成果は出ているようです。腕とふともも、腹部に筋肉痛が残っているので、少しは筋肉が増えたかもしれません。

before & after

期間中はVRフィットネス以外の運動は特に行っておらず、軽いストレッチと散歩程度です。また食事制限もシビアには設けず、昼食を軽いもので済ませるぐらいの変化でした。他の工夫が減量に多少結びついた点もあるかもしれませんが、基本的にはVRフィットネスだけで減量は可能だといえそうです。

「Supernatural」から始まった挑戦…しかし

この企画への挑戦を決意してからは毎日30分~60分(調子の良い日や休日は120分以上)程度、VRフィットネスを行いました。最初の1週間ほどは「Supernatural」を中心に行っていましたが徐々に「BOX VR」にシフト。現在はたまに「Beat Saber」に浮気しつつ「BOX VR」メインで運動しています。

当初この記事は「Supernatural」オンリーで減量可能かを検証しようと考えていました。「Supernatural」は本格のフィットネス専用アプリとして最近登場したもので、その魅力はどのようなものか詳しく伝えたかったからです。しかし2つの点で自分とは相性が悪いと気づき、遠ざかってしまいました。

1点は、最大の特徴であるバーチャルトレーナーのレッスン指導があまり肌に合わなかったこと。分かりやすい英語なので、だいたいの指示の意味は分かるのですが、小粋なジョークや陽気な応援に集中力を乱されることが少なくありませんでした。もう1点は、360度動き回りながらのトレーニングで腕や頭を何度か障害物にぶつけてしまったことです。普段はリビングにVR用のスペースを確保しているのですが、想像以上に広く使う必要があり、周囲に気をつけながらの運動は気が散ってしまいした。

もちろん陽気なムードが好きで、多少移動しても大丈夫な広さを確保できるようなら「Supernatural」はおすすめです。リリース後から何度もアップデートされ、新しいトレーニングメニューが増え続けています。スマホ連動型コミュニティ機能は、国内でプレイしている人がほとんどいないため意味がありませんでしたが、フィットネスだけでも充分有用だといえます。全身をフルに使ったメニューが多く、もともと運動好きな人に向いていると思います。

「BOX VR」に激ハマりするまで

「ちょっとしんどいな…」と思い始めたタイミングで、改めて「BOX VR」にチャレンジ。前方から飛んでくる光る玉をパンチしたり、迫りくるバーを屈んで避けたりしてシャドーボクシングできるアプリで、シンプルな内容です。しかし上級メニューになるほど、目に追えない速さの玉が立て続けに流れてくるので、軟弱な腕の動きだけで対応できなくなりました。

そこでYouTubeで「ボクシング 基本」と検索。「京都西院ボクシングジム」の基本練習動画シリーズを発見して、見様見真似で構えとジャブを練習しました。それからVRヘッドセットを被り直して、短いメニューを繰り返し行いつつ、覚えた方法を試してみました。

結果(ほんのちょっと)パンチの速さが上昇。特にフックのヒット率が格段に上がり、以前よりもプレイが楽しくなりました。プレイ時間も日を追うごとに伸び、60分連続のメニューもこなせるように。気がつくと「BOX VR」自体がかなり好きになり、日々のフィットネスが楽しくなっていました。

慣れてきてから分かったのですが、ストレートやアッパーを打つためにはかなり体幹が重要で、全身の動きを意識しなければ気持ちよく打てません。すると、自然と上半身だけでなく下半身も動くようになり、結果的に全身運動をしているような状態になりました。それからは、より早く正確に打つための修行に夢中になり、日々トレーニングしています。

ちなみに「BOX VR」にハマってから「Beat Saber」もプレイしたところ「Expert」クラスで「A」or「S」を獲得できるようになりました。別のVRゲームを通して自分の成長度合いを実感できたことも1ヶ月続けられた理由だと思います。

VRで強くなりたい…!

VRフィットネスで痩せた例はこれまでいくつか紹介されています。有名なのはロバート・ロング氏の約62キロ減量ですが、さすがにこれほどまで極端な変化は難しいでしょう。ただしVRヘッドセットを用いたフィットネス自体は、日々の健康を維持するのに有効なのは間違いなさそうです。

現在は「痩せる」を頭に起きつつも、目標を少しズラして「VRで強くなりたい!」と考えています。10代の頃地元でヤンキーたちによくイジメられていたので、せめて30代の今は彼らに負けないような身体に…!「VRトレーニングだけで、“最強”になりたい」と思いつつ、今後もトレーニングを続けていきます。

執筆:ゆりいか


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