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企業動向 2025.03.24

超ハイエンドXRヘッドセットのVarjo、新たな有料サブスクリプションを発表

フィンランドの高解像度XRヘッドセットメーカーVarjoは、4月からXR-4シリーズの一部ヘッドセット向けに新しい有料プラン「Varjo Base Pro」を導入すると発表しました。この変更により、2025年3月25日以降に購入される対象のヘッドセットでは、3D再構築などの高度な機能を使用するために年間2,500ドル(または永続ライセンスで5,000ドル)の追加費用が必要になります。ただし、3月25日より前に購入されたヘッドセットでは、これらの機能を追加費用なしで引き続き利用できる特例措置が設けられています。

Varjoは2016年に設立され、産業向けVR・AR・MRヘッドマウントディスプレイの製造で知られる企業です。独自技術により、業界のどの企業よりも早く人間の目に匹敵する解像度のヘッドセットを製品化しました。防衛、航空宇宙、自動車、医療など幅広い事業分野で高い技術力を評価されています。

同社開発の「XR-4」シリーズは、2023年11月に発表された高解像度XRヘッドセットで、片眼あたり4K(3840×3744)の解像度を持ち、水平視野角120度、垂直視野角105度という広視野角を実現しています。同シリーズには標準モデルのXR-4(3,990ユーロ〜)に加え、航空訓練用の視線誘導型オートフォーカスカメラを搭載したXR-4 Focal Edition(9,990ユーロ〜)、政府・産業利用向けに設計されたXR-4 Secure Edition(7,990ユーロ〜)のバリエーションがあります。

今回導入される新たなサブスクリプション「Varjo Base Pro」は、従来の無料機能群である「Varjo Base」から、一部の高度な機能を有料サブスクリプションとして提供するものです。具体的には、クロマキー、ブレンドコントロールマスク、ビデオパススルーデータストリーム、ビデオポストプロセスシェーダー、HDR照明用の環境キューブマップ、3D再構築、カメラ設定のプログラム制御、サードパーティ製トラッキングプラグインのサポート、分析・研究用アイトラッキング、IPD調整のプログラム制御、マルチアプリへの互換性サポートなどが含まれます。

一方、引き続き提供されるVarjo Baseでは、基本的な仮想現実レンダリング、ビデオパススルー(アルファマスク付き)、深度オクルージョン機能、内蔵マイクとスピーカー、Varjo内蔵トラッキング機能などが無料で利用可能です。

この変更は、主に新規購入者に限定されます。Varjoによれば、3月25日より前に購入されたXR-4シリーズのヘッドセットでは、現在提供されているすべての機能を追加費用なしで「無期限に」使用できるという特例措置が設けられています。

また、3月25日以降に購入されるXR-4 Secure Editionヘッドセットには、Varjo Base Proライセンスが標準で含まれるとのこと。同社は高価格であるXR-4シリーズ(5,990ドルおよび9,990ドル)を購入する企業や研究機関など、プロフェッショナル向け市場を主なターゲットとしてサブスクリプションビジネスを展開する模様です。

(参考)VarjoRoad to VR

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