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凸版印刷、ライトフィールド技術活用のVRHMD開発

凸版印刷株式会社は、ライトフィールド(※)技術を用いた新しいヘッドマウントディスプレイ(HMD)「TransRay(トランスレイ)」と、3Dセンサーで撮影された3次元シーンをライトフィールド情報へリアルタイムに変換する描画エンジンを開発しました。同社は2019年3月から研究開発向けモジュールと描画エンジンの提供を開始する予定です。

(※ライトフィールド:3次元空間における視覚情報を、空間中を伝わる光線の情報として再現したもの。光線空間とも呼ばれる。)


(画像左:「TransRay」のモックアップ 画像右:利用イメージ)

「TransRay」では、HMD特有の酔いや疲労の軽減効果が期待されます。そのため、長時間使用が想定される工場や医療現場での活用の可能性を広げます。

長時間のHMD利用を阻むVR酔い

昨今ではVR/AR/MR技術の活用が進み、ロボットや建機などを遠隔操作するニーズも高まっています。その中で、HMDの産業用途への応用が期待されています。しかし従来のHMDはVR体験の際、人によっては特有の酔いや疲労を引き起こしがちであり、長時間の利用が難しいという問題点があります。

人間が立体を視認する際は、両眼視差による奥行き知覚と、単眼のピント調節による奥行き知覚の両方を統合して認識しています。従来のHMDでは、両眼視差による奥行き知覚のみ対応し、ピント調整による奥行き知覚には対応できていないことから、両方の視覚特性の間で差異が発生。これが酔い(VR酔い)や疲労の大きな要因の一つになっています(図1)。


(図1:従来のヘッドマウントディスプレイの場合)

自然な見え方に近く、酔いや疲労軽減

今回凸版印刷は、単眼のピント調節による奥行き知覚にも対応したHMDを開発することで、この問題の解決に道を拓きました。ライトフィールド技術を活用し、画像表示装置と画像処理を組み合わせ、ピント調節の情報を伝達できる特殊なディスプレイを実現。対象空間の光線情報をリアルタイムに表示し、ピント調節による奥行き知覚に対応可能としました。これにより、自然な見え方に近くなり、酔いや疲労の軽減に期待ができます(図2)。


(図2:今回開発された「TransRay」の場合)

さらに同社は大阪大学大学院医学部の感覚機能形成学教室・不二門 尚教授との共同研究によって、医学的な効果を証明しました。「TransRay」を使用した場合、従来のHMDでは反応しなかったピントの調節機能が両眼視差と連動して反応。さらに単眼においてもピントの調節反応が出るとのことです。

今後の展望

凸版印刷は「TransRay」を活用したロボット遠隔操作のデモ及びモックアップの展示を、2018年10月17日(水)から21日(日)に東京ビッグサイトで開催される「World Robot Summit 2018」にて実施します。

同社は今後、ロボットや建機メーカーをはじめとした連携先を募り協業を図りながら「TransRay」の研究開発を進めます。各種センサーとの連動やセンサーからの情報の可視化、AIとの連携など、より効率的なロボット遠隔操作の実現に向けた開発を行い、2020年度の実用化を目指すということです。

© Toppan Printing Co., Ltd.

(参考)凸版印刷株式会社プレスリリース


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