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医療×XRで切り開く未来。Tokyo XR Startups出身起業家インタビュー(第三回:株式会社HoloeyesCEO谷口直嗣氏、COO杉本真樹氏)

2016年1月に開始されたTokyo XR Startupsのインキュベーションプログラムも、第5期を迎えています。2019年に入り、安価で簡単に6DoFのVR体験を楽しめるOculus Questの発売により一般消費者向けのVR市場の拡大が期待されています。

また、企業向けのVR/ARソリューションの浸透が着実に進むなど、世界中で一層XR市場の拡大が予測されています。日本ならではの動きとしては2017年12月からブームの始まったバーチャルタレント(VTuber)も、XR技術をベースにした新しいコンテンツとして、国内のみならず海外でも勢いが続いています。

この度数回にわたってTokyo XR Startupsプログラム出身のXRスタートアップ経営者のインタビュー記事をお届けすることになりました。XR市場の黎明期に起業した先輩起業家のお話から、皆様がXR領域でスタートアップとして起業するために有意義な知見や勇気を得ていただければ幸いです。

第3回は株式会社Holoeyes CEO 谷口直嗣氏、COO 杉本真樹氏へのインタビューをお届けします。
 


(Mixed realityによる患者個別手術支援。提供:Holoeyes)

(※記事中のインタビューは、Tokyo XR Startups株式会社プロデューサー/ブレイクポイント株式会社 代表取締役 若山泰親氏により、2019年5月に行われています)
 

起業のきっかけ、CEO谷口氏とCOO杉本氏との出会い

若山泰親氏(以下、若山):

株式会社Holoeyesの現在の事業について教えてください。

谷口直嗣氏(以下、谷口):

当社はXR技術を使った医療系のサービス、具体的にはCTスキャンなどのデータを使い、医師がVRアプリを簡単に生成できるサービスを提供しています。例えば手術前のカンファレンスや手術中にナビゲーターとして活用したり、患者への術式説明にVRを用いたり、といった形ですね。

若山:

Tokyo XR Startupsが始まった当初から、世界的に「医療はXRのユースケースとして有力だろう」と言われていました。その中でHoloeyesは医療分野のXR Startupとして、日本ではトップランナーだと言われるようになりましたが、起業の経緯、そして谷口さんと杉本さんの出会いについてお聞かせいただけますか?

谷口:

Holoeyesを起業する前、私はフリーランスでエンジニアとしてコンテンツの企画や制作をしていました。ある出版社の編集者から家庭用医学書のデータを使って新しいサービスを考えてくれないかというオファーがあり、その時にたまたま杉本さんの記事を見つけて。これからの医療では8K映像やKinectといった技術を使う必要があるののではないか、と書いてありました。「この人は気が合いそうだな」と思ってコンタクトをとり、3日後に会うことになったんです。

杉本さんは当時、OsiriX(オザイリクス)というMacで動くDICOMビューアを使って、3Dプリンターで臓器モデルを作っていました。元データがポリゴンデータで、医療でポリゴンデータが使われているのならと、僕もOsiriXを使ってデータを作ってみたのです。作ったデータをUnityにインポートしたら普通に表示できたのですが、その時手元にOculusのDK1がありまして。作ったのは頭蓋骨のデータだったのですが、頭蓋骨の中にVRで入ったら面白いんじゃないか、と思ってやってみたところ、様々な個所が内部から見れて非常に面白いと感じました。

その後杉本さんから、当時勤務先だった神戸大学に手術支援ロボットの「ダヴィンチ」がトレーニング用にあるからそれを触りに来ないかと連絡が来たので神戸へ行き、ダヴィンチを操作させてもらいました。僕はダヴィンチを使うのは初めてだったんですけれども、結構意のままに操作ができました。仕事としてゲーム開発をしていてユーザーインターフェースについては数多く実装してきたので、ダヴィンチのUIってどうしてこんなに良く出来ているのかなと考えた時に、奥行き感があって、立体で見えて、しかもマニュピュレータの手のところと画面に見えている鉗子が同じ位置にある。これってVRでやっていることと一緒だなと。ダヴィンチは当時3億円しましたが、例えばOculusのDK1とMacBookだったら20万円くらいで出来るので、これだけ価格差があるのならば何かビジネスができるんじゃないか、と思いました。

若山:

当時DK1が出て、エンジニアの方がハードウェアを手に入れて、自主製作的に何かを作り始めるという流れがありました。ちょうどそのタイミングで、谷口さんは杉本さんと出会いがあって、医療分野でプロトタイピングを始めるきっかけになったという感じですね。

谷口:

その後、実際の患者さんのデータで、VRアプリを作ってくれないかという依頼が杉本さんからあって、その時は仕事ではなく、面白そうだからやってみようみたいな感じで作ってみました。そういうことをやっていると、杉本さんがVRを使っていることがメディアに紹介されたり、VRコンソーシアムの賞をいただけたり世間的にも注目されてきて、リクルートの「TECH LAB PAAK」にも採択されました。それと前後して、新清士さんからTokyo VR Startups(当時)に応募しないかという話がきたので、応募したという感じです。

個人でフリーランスとしてやることも考えたんですけど、会社にしてみようという想いもあり、会社にするんだったら他の人のやらないことをやろうかなと。「医療×VR」というのはその時誰もやっていなかったので、やってみようと考えました。初期の投資を受けられて、会社設立の手続きなどをサポートしてもらえたのも良かったです。


(「数億円の医療機器と同じことがVRでできるならビジネスができると思った」)
 

起業への決断

 若山:

会社を作るという決断に繋がったポイントはありますか?

谷口:

スマホVRのアプリで賞をもらったりして、これはいけるなという手応えがあったのと、フリーランスの次のステップとして、他の人がやっていないことでないとお金が稼げないかと考えて、医療VRの世界でもう一歩踏み込んでみようかなと思っていました。

若山:

他の人がやらないことに合致していた、作ったものへのユーザーからの評価、フィードバックがポジティブだったという2つですね。杉本さんとしては、谷口さんとスタートアップとして起業しようという気持ちの高まり方は、どのような感じでしたか?

杉本:

神戸大学で医工連携とか産学連携とかというセクションを担当させてもらっていて、自分も企業と共同研究をたくさんやっていたんですけど、どのプロジェクトもなかなか上市しないというか、製品化しなかった。特許取って終わりとか、論文書いて終わりとかというのに非常にジレンマを感じていました。

それと医療画像の3Dというのがずっと僕自身のテーマとしてあって、OsiriXについても札幌のニュートン・グラフィックス社と一緒に3Dモニタで医療画像を立体視できるビューワを共同開発していて、奥行きがあると良い、立体視があると良いというのはわかっていたんです。特にそれを手術の時に参考にしたいというニーズはあったんですね。

その時に谷口さんが声をかけてくれて、ポリゴンにした方がデータも軽いし、速いし、しかもヘッドマウントディスプレイがあると。それ使えるんじゃないということで、まずは、Side By Sideにパソコンで出したものをヘッドマウントで見るというのを最初にやったんです。すると見事に目の前で広角な立体視を体感することが出来て、しかも頭を振る加速度センサーとも合う。そこで谷口さんは求められている技術を持っていると感じました。

だったら谷口さんの言う通りポリゴンにしましょうということで、まず1例作ってもらったんですね。僕が簡単にデータを入れ替えられるようにつくってもらったら、他の人もできると。最初はアプリを作ってもらい、僕もそのアプリをもらって自分で出来るようになって、今ではそれがWEBサービスになっている。

こうしてどんな患者のデータでも簡単にVRアプリ化できる仕組みが開発できたので、ビジネス化した方がいいし、医者も喜ぶし、患者も助かる。谷口さんも社会貢献したいって気持ちがあったのですが、医療って本当に社会貢献できる領域であり、同じ技術でも医療現場で使うか使わないかだけで、同じ技術の価値が変わります。医療の現場に異なる分野のテクノロジーを入れることで、新しい風が吹くのではないか、と感じていました。

VRコンソーシアムの代表理事でもあるハコスコの藤井直敬さんは医者同士で繋がりがあったのですが、藤井さんからお誘いがあって「VRクリエイティブアワード2016」というコンテストに応募したところ、優秀賞をいただくことが出来ました。この時僕に一番響いたのが、「社会実装」という言葉でした。VRブームは、ゲームとか、エンターテインメントが多くて、その中で社会実装しているからこそ賞に値すると言われて。ということは、世の中に役立つことが証明されたのかなと思いました。

僕の方は、大学の仕事があったので、どこまでこの会社にエフォートを割けるか、人生をかけるかというのは、最初は手探りでした。やっていくうちにこの仕事が人の役に立つし、医療現場と同様に医者や患者を助けているという実感がわいたんです。
起業家として外科医を助けることが、より多くの患者を助ける事に繋がると思い、これは本腰を入れた方がいいと思いました。それがビジネスとしてのポイントですね。

若山:

医療画像の3D化による医師や患者さんのメリットがわかっていて、それをVRというテクノロジーによって使いやすく、安く、事業化できるという手ごたえを感じたわけですね。

杉本:

ダヴィンチを谷口さんに触ってもらったら、思いつかないような意見を出してくれて、簡単に扱えるようになった。若手の外科医だったら, 解剖が複雑だとか、手術操作が難しいとか、医療機器が高価だとか、つい難しく考えがちなのですが、手術ロボットを初体験からVRのように直感的に操作できたので、ロボットアームの操作も自然に習得できたのだと思います。

谷口さんがよくインタビューに答えるときに僕が大好きなのが、「僕は3D画像で解剖をまず覚えているので、2DのCTを読めるんです。」っていうセリフ。これはすごいことで、まさにそうなんですよね。それを医学生や高校生からやったら医療の底上げにつながるわけですよ。テクノロジーのシフトというか。主体的に医者とエンジニアでやるっていうのは、今までない形だったと思うので、やる価値はあると思いました。

医者で起業している人は結構いますけど、臨床をしなかったりとか、経営だけやっているとか、デバイスやソフトウェアだけ売っていたりとか、臨床をやっている外科医とエンジニアが臨床現場でお互いの強みを生かし合えるチームはなかなかないのではないかと思います。


〔ITと医療の融合:エンジニアと外科医のシナジー〕
 

ビジネスモデルを構想する

 
若山:

技術者と医師の距離が近く、コミュニケーションが密接にとられている中でプロダクトの構想が生まれたわけですね。

起業にあたりTokyo XR Startupsにも入っていただいたのですけれども、半年サポートさせていただいて、その後ベンチャーキャピタルからのフォローオン投資も決まりました。起業後のプロセスのところで、起業前に思っていたところと実際起業してからとで違うところはありましたか?

谷口:

そもそも資金調達するというのも初めてだったので、どのようなものか見当がつかないところもありましたが、割とその辺は恵まれていたかなと思います。いくつか投資に前向きなところからお話しがある中で、一番感触のよかったニッセイ・キャピタルさんに投資していただくことが出来ました。

若山:

事業面ではいかがでしょう?

谷口:

私は自分が医者ではないので、我々の製品が本当に使えるかという部分で、いけるかなという感触があっても実感に変わるまでは時間がかかりました。

実際に杉本さんと一緒にいろいろな医師のところに行って反応を見て、あっこれは本当にいけるなと思えてきたというところがあります。あとは、医師と話す時に用語や考え方の違いに突き当たっていたのも繰り返すうちに慣れてきたというのもあります。

若山:

何か対策はとりましたか?

谷口:

今はインターネットの時代なので、ほとんどのことはネットで調べれば出てくるんですよ。オペのビデオもYouTubeにいっぱい上がっていて、オフィスに医師に来てもらって、ディスカッションする時に、術式をYouTubeで検索すると出てきたものを解説していただくようにすれば、だいたいわかってきます。

若山:

技術者ならではのコミュニケーションの仕方ですね。杉本さんは起業前と起業後でギャップみたいなものはありましたか?

杉本:

どうマネタイズするかは、医療現場にいるとあまり気にしない訳ですよね。買う側ですからね。自分が快適なものをエンジニアに求めるだけだと、自分は欲しいけど、他の人は欲しいとは限らない、つまり売れるかどうかわからない、ということです。

売り方を模索するうちに、我々はデータサービスだと考えるようになりました。データサービス、クラウドサービスを医療情報に活用するソリューションはこれまであまりなかったものです。作ってものを売るのではなく、データドリブンな考え、あとクラウドが使えるというところ、そこに考えを集中することによって、ビジネスの考え方が変わりました。

患者個別の医用画像を匿名加工したアセットをダウンロードさせたり、アプリは無料でダウンロードさせたりというのは、従来の医療機器ではなかった考え方です。医療機器のIT化に伴い、2014年に薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)が施行され, 疾病診断・治療・予防用プログラムも医療機器として制限を受けるようになりました. このプログラム医療機器を駆使し, データビジネスとして医療のデジタルトランスフォーメーションを加速することが、これからの医療ITビジネスでは重要だと考えています。

あと、ビジネス化という意味では設立してから半年くらいのタイミングでジョインしてくれたCSOの新城さんの力が非常に大きくて、新城さんが入ってくれたから、ビジネス周りを整理できるようになって、僕ら2人だけだと出来ないことも出来るようになりました。人脈も非常に広く、協力者が増えたり、ディストリビュータをみつけてくれたり、新城さんの役割が大きいなと思います。

谷口:

データサービスという点では、僕はUnityを最初から使っていたし、それでVRアプリを作るのはそれほど難しくないというのはVRやっている人はわかるんですよね。

だから、単なるVRアプリ提供だと、絶対成り立たないなと思っていました。VRというのは単なるインターフェイスで、ビジネスとしての真ん中の柱というのを何に置くかと考えた時、インターネットのビジネスって、やはりデータじゃないか、ということで、うちはデータにフォーカスしますということを話しました。……三田のファミレスで。

杉本:

最初はファミレスがオフィスでした。

若山:

ファミレスがオフィス!(笑)

谷口:

Oculusのセッティングもしたりしていましたね。

杉本:

ファミレスは、遅くまでいられるじゃないですか。夜中2時、3時までコーヒー一杯で、パソコンを二人開いて、ヘッドセットをかぶって、おおーって。バイトのお姉ちゃんに怪しまれる。

若山:

あのおじさん2人は何をかぶって、何しているんだろうと。(笑)

谷口:

その時に単なるVRアプリではなく、データというのを中心にしてデータビジネスにしていこうと決めました。データをやりとりするようなインターネット的なビジネスというのが頭の中にあって、新城さんは、ソフトバンクやオールアバウトでインターネットビジネスをずっとやっていた人なので、そういうところでちゃんと肉付けしてくれるという存在ですね。


(新城氏(写真右)が加わって、医療×VR×インターネットをビジネスモデルに。)

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