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業界動向 2018.10.12

視線追跡のTobii、“あるメジャーな”VRデバイス企業と提携

スウェーデンを拠点とし、視線追跡(アイトラッキング)の技術を専門に手がけるTobii(トビー)社は、メジャーなVRヘッドセットメーカーとの契約に合意したことを明らかにしました。メーカー名などの詳細は未だ公表されていませんが、契約内容には、アイトラッキング用のマイクロチップの「Tobii EyeChip」およびトビー社のアイトラッキングシステム「Tobii VR4」関連のシステムデザインや知的所有権、ソフトウェアが含まれています。


トビー社のCEOであるHenrik Eskilsson氏は、今回のメーカーとの契約について次のようにコメントしています。

今まで、きわめて重要なカスタマーおよびパートナーとともに、わが社のVRに向けたアイトラッキング技術を、世界トップレベルにまでする業績を残してきました。そして今回、トビー社がVR技術の基礎としてアイトラッキングを確立するための第一歩となる、このような発表をできることがとても喜ばしいです。

トビー社は販売予定数などの情報は開示しておりませんが、2019年からの提供開始を予定しています。

VR市場に広がるアイトラッキング

トビー社の開発するアイトラッキング技術では、視線の動作でユーザーがデバイスを操作することができるため、コントローラーなどの操作を行わずに視線のみでコンテンツを楽しむことができます。ほかにも、ソーシャルVRアバターに目の動きや瞬きを反映することで、相手と目を合わせたりなどの表現を可能にし、コミュニケーションを豊かにします。また、人間の目が目線の中心のみ高解像度で見ていることから、より効率的な描画処理を行うことが可能になります。

リサーチ会社のIDCが発表している世界AR/VR関連市場予測では、VRヘッドセット市場は高い成長を見込んでおり、2018年までに400万台以上の販売台数が予想され、2022年までには約3,000万台に及ぶとされています。トビー社は、この予測に関してとても肯定的で、多くのVRヘッドセットにはアイトラッキング技術が導入されることを確信していると話しています。

すでに製品版に搭載されることが明らかとなっているVRヘッドセットはStarVR Oneですが、さらに他のVRヘッドセットメーカーとの提携となりそうです。

なお、トビー社は、2017年に開発者向けにVRヘッドセットのHTC Vive向けアイトラッキングキットを展開してきました。

また、今年3月に開催されたGDC2018では、トビー社の展示でHTC Viveの使用や、クァルコム社の一体型ヘッドセットSnapdragon845VRへアイトラッキングの統合などが見受けられています。

どのメーカーと提携を行ったのか。製品化はいつ行われるのか、楽しみなところです。

(参考)VRFocus
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