武田薬品工業株式会社は、感染症ワクチンの製造工程における無菌操作の、VRを活用したトレーニングを導入しました。VRで実環境を再現することで、指導者不要で訓練者のみで無菌操作の作業中の遵守事項の確認が行えます。熟練者の経験に基づいた判断が反映されており、トレーニング効果の測定が可能です。
本VRトレーニングは日本電気株式会社(NEC)とNECソリューションイノベータ株式会社が提供。NECの「法人VRソリューション」を活用しており、利用は9月から開始される予定です。
VRトレーニングは、無菌室内の設備である安全キャビネットや細胞培養に使用する細胞培養用フラスコ、電動ピペッターといった専用の器具を用いた無菌操作をVRで再現。製造時の遵守事項をVR内で体感学習できるものです。
トレーニングでは、培養細胞や培養液、ボトル・細胞培養用フラスコ・ピペットといった器具と作業者の手の位置・角度・接触などの状態から作業の正確さをチェック。20種の遵守事項に抵触する全260ケースを検出し、雑菌等の異物混入の恐れとなる部位や原因の説明、適切な対処方法や回避方法を作業者に提示します。
トレーニングの効率化や廃棄量の減少にも
VRトレーニングは、製造トレーニングを場所や時間を問わず実施できるだけでなく、指導者がいなくても訓練者のみで無菌操作の作業中の遵守事項を確認できます。これまで熟練者が経験に基づいて判断していた部分をVRトレーニングに反映させることにより、客観的にトレーニング効果の測定が可能となっています。また、トレーニング時に用いる溶液や資材の廃棄量を減らすことも可能です。
(参考)日本電気株式会社 プレスリリース