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投資 2020.07.10

ソニーがUE4や「Fortnite」のEpic Gamesへ2.5億ドルを出資。その背景と影響は?

ソニー株式会社(以下ソニー)は、ゲームエンジン「Unreal Engine」などで知られるEpic Gamesへの出資を発表しました。総額2億5,000万ドル(約268億円)を投じ、Epic Gamesの少数持ち分を取得します。

この動きは、傘下のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が手掛けるゲーム事業にどのような影響を及ぼすのでしょうか? メディアRoad to VRは、ニュースから得られるインプリケーションを分析しました。

SIEではなくソニー本体から出資、ゲームにとどまらない体験を

Road to VRは、この資金提供が、ゲームの枠組を超えた協力関係に繋がる点について分析しています。

ソニーの会長兼社長CEOの吉田 憲一郎氏は、今回の出資について「今回の出資を通して、Epicとの協業のさらなる深化を模索し、ゲームの分野に限らず、急速に発展しているデジタルエンタテインメントの領域で、ユーザー、そして業界の皆様に喜んでいただけるような価値を提供していきます」と表明。Epic GamesのCEOティム・スウィーニー氏は、「ソニーとEpicは両社とも、クリエイティビティとテクノロジーが交わる分野でビジネスをしており、ゲーム、映画、音楽を融合させるリアルタイム3Dソーシャルエクスペリエンスに関するビジョンを共有しています」と説明。両社トップの言葉からは、ゲームにとどまらない新たな体験を提供していくという姿勢が見て取れます。

Epic Gamesが行った具体例として、同社はバトルロイヤル型対戦ゲーム「フォートナイト(Fortnite)」内でバーチャルライブを開催。累計2,700万人以上を動員しています。こうしたプレイヤーとのインタラクションや、リアルタイム編集への注力が考えられそうです。

ゲームエンジンの統一

次に、ゲーム開発の視点から分析してみましょう。ソニーグループである株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)には、複数のファーストパーティのゲームスタジオがいますが、使用するゲームエンジンは統一されていません。これをEpic GamesのUnreal Engineに統合していくのではないか、というのがRoad to VRの見立てです。スタジオの独立性は保ちつつ、開発効率を上げることにつながります。

VRへのUnreal Engine活用

では、PlayStation VR(PSVR)といったVR事業はどうでしょうか。もしSIEがゲームエンジンの統一化を図れば、同様の動きはVRゲームにも出てくるでしょう。既に「Moss」、「Firewall Zero Hour」などのPSVR向けコンテンツでもUnreal Engineは使われています。しかし活用を進めることで、よりVRの持つ可能性を引き出したゲーム開発が展開されると考えられます。

PS5への期待

最後に、新コンソール機PlayStation 5(PS5)への期待です。2020年5月に行われたUnreal Engine 5(UE5)発表の場では、PS5で動作させたリアルタイムデモ映像が公開されました。次世代機においては、両社のコラボレーションにより、一層UEの最適化が図られている可能性を、Road to VRは指摘しています。なお、高精度のライティング技術といったUE5の新たな特長は、VR対応が明らかになっています。

SIE、Epic Gamesに関する最新のニュースはこちらから。

(参考)Road to VRソニー株式会社
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