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PlayStation VR 2021.08.22

幻となったAAA級のVRゲーム 閉鎖されたSIEのスタジオで開発されていたのは“VRヘリゲーム”だった

ソニーインタラクティブエンタテインメント(SIE)のイギリス・マンチェスタースタジオは、2020年に閉鎖が発表されました。マンチェスタースタジオは、2015年に設立。コンテンツのR&Dやユーザーテストを行うためのスタジオとしてスタート。閉鎖前、PlayStation VR(PSVR)向けにAAA級のVRゲームを開発中だったとされていました。

この度、開発されていた作品が、ヘリコプターを操縦するPSVR専用ゲームだったことが明らかになりました。

“VRヘリゲーム”の存在は、海外メディア Polygonに、マンチェスタースタジオの元メンバーが匿名で情報提供したことで明らかになりました。“ソース元”の人物たちによれば、タイトルは「CSAR: Combat, Search, and Rescue」。プレイヤーは空母からヘリ(副パイロット付き)で発艦し、救助を行いながら敵と戦うゲームだったとのこと。

Polygonは、「CSAR」の開発中、マネジメント層の決定によってプロジェクトの方向性が何度も変更されたとしています。これらの決定には、ソニーワールドワイドスタジオのVP、Eric Matthews氏とソニーリサーチのMark Green氏などが関与。両氏のリモートワークとハンズオンを組み合わせたアプローチは、制作速度とスタジオの士気を下げたと情報提供者は語ったようです。他にも、同スタジオの状況に対して批判的なコメントが多く掲載されています。

2019年、SIEでは幹部交代などを経てマンチェスタースタジオが開発している作品について注視するようになり、過去5年間の進捗の遅さから、スタジオの閉鎖が決定されたとのことです。

イギリスに拠点をおいていたSIEのスタジオの多くは、PSVR向けタイトルの開発に注力していましたが、多くが閉鎖もしくは離脱しています。「RIGS Machine Combat League」(2016)を開発したゲリラケンブリッジは同タイトルの発売後に閉鎖、「Driveclub VR」(2016)の原作である「Driveclub」を手がけたEvolution Studiosはその発売前に閉鎖しています。「Blood & Truth」(2019)のSIEロンドンスタジオは同作の発売以降、直近の状況が不明です。

PlayStation 5向けの次世代VRシステム向けコンテンツには、SIE傘下のいわゆる「ファーストパーティ」のスタジオが作った完成度の高いコンテンツに期待が集まります。閉鎖されるスタジオがある一方でVRゲームの開発実績が豊富なInsomniac Gamesを買収するなど、スタジオの展開は続けるSIE。2022年以降発売とされている次世代VRのシステムに向けてどのようなコンテンツを用意しているのか楽しみにしたいところです。

(参考)UploadVR


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