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開発 2025.03.18

Robloxがオープンソース3D基盤モデル「Cube 3D」を発表 生成AIを使ってテキストから環境や3Dアセットを作成

Robloxが新しい3D生成AIシステム「Cube 3D」を発表しました。同社はこの基盤モデルをオープンソース化し、Roblox内外を問わずクリエイターがテキスト入力から3Dアセットや環境を生成できるようにします。あわせてRoblox Studio内でのメッシュ生成ベータ版とバーチャル空間内Lua APIが今週から利用可能になると発表しています。

「Cube 3D」は、3D・4D用のコア生成AIシステムとして開発されたもので、テキストプロンプトから3Dメッシュを生成できます。将来的には画像からも生成できるように開発に取り組んでいます。

特筆すべき点は、Robloxがこの基盤モデルをオープンソース化することを決定したこと。これにより、世界中の開発者やクリエイターがCube 3Dを活用し、独自の3Dコンテンツ制作に応用できるようになります。

生成AIの分野では、画像や音声、テキストの生成が広く注目されていますが、3Dコンテンツの生成はその複雑さから課題が多いとされてきました。Cube 3Dはこうした課題に対し、トークンという考え方を用いて解決を図っています。

トークンとは、AIが情報を処理する際の最小単位のようなもので、テキストの場合は単語や文字、画像の場合はピクセルの集まりなどが該当します。Cube 3Dでは、3Dオブジェクトを適切にトークン化し、AIが理解しやすい形で処理できるようにする(※オブジェクトの形状をトークンとして理解する能力を構築し、AIシステムを訓練させレイアウトの予測を可能にする)ことで、テキスト入力から直接3Dメッシュを生成可能にしています。その結果、ユーザーは専門的な3Dモデリングのスキルがなくても、自然言語での指示だけで3Dコンテンツを作成できるようになります。

また、Robloxは今週から、開発環境の「Roblox Studio」内でのCube 3Dメッシュ生成ベータ版と、バーチャル空間内でのLua APIを提供開始すると発表しています。これらのツールを使用することで、Roblox上で直接3Dアセットを生成し、ゲームや体験に組み込めます。特にLua APIは、Robloxのスクリプト言語であるLuaを使用して、プログラムから直接3Dメッシュ生成を制御でき、動的なコンテンツ生成やユーザー入力に基づいたリアルタイムの環境変化などの実現が期待できます。

Robloxは今回の発表に際し、「メッシュ生成という最初の使用例だけでなく、当社は使用をシーン生成とシーン解釈へと広げていく予定です。 ユーザーが最も興味を持ちそうなバーチャル空間を提供したり、コンテキストに沿ってオブジェクトを追加してシーンを拡張したりできるようになるでしょう。 例えば、森林のシーンがあるバーチャル空間の場合、開発者はアシスタントに対して、季節の移り変わりを示すために、木々に生い茂る緑の葉をすべて紅葉に置き換えるよう指示を出すことができます」とコメント。

同社は今後のCube 3Dには「オブジェクト、環境、人々の間の相互作用や関係性・文脈を理解する能力」が必要であり、その能力を4D制作と定義した上で実装を目指すと述べています。

(参考)Roblox


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