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テック 2016.11.15

360度カメラならではのアイデアも RICOH THETA作品コンテスト 受賞作を紹介

11月7日(月)、東京・日本科学未来館で「RICOH THETA x IoT デベロッパーズコンテスト」の表彰式が開催されました。

RICOH THETA x IoT デベロッパーズコンテスト」は、360度カメラ「RICOH THETA」と連動するアプリケーションやガジェットを募集したコンテストです。2016年4月1日から8月31日の期間中に開催されました

開催は2回目となり、今回のテーマとして「Internet of Things(IoT)」にふさわしい革新性、実用性や利便性があるかを判断されました。

最終的に11ヶ国・地域から54作品の応募がありました。VRと直接関係ない作品もありますが、受賞作の中から特徴的な作品を紹介していきます。

VANISH360

THETA
全天球カメラは周囲をすべて撮影してしまうため、関係のない通行人や、撮影者本人も映ってしまいます。風景のみや、撮影したい人以外は消したいという要望をかなえたアプリです。THETAを固定して数枚の画像を撮影することで、動いている人物を画像処理で消すことができます。

制作:ViRD
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80周年記念賞受賞作(RICOH創業80周年を記念した賞)

『Next Number VR360』

THETA
受賞作の中で唯一のVRゲーム。1~32の数が書かれたパネルがサッカーボールのように配置されています。一つのパネルを見つめると、パネルが消えます。消せるパネルは「1」の数字から順番となっており、全部消えると後ろにはTHETAで撮影した全天球写真が隠れていたことがわかるパズルゲームです。

パソコンのモニター上で、マウスを動かしながらすることもできますが、スマートフォンをVRヘッドマウントディスプレイに装着して、動きながらプレイすることで運動にもなる、THETAで撮影した画像を活用したゲーム作品です。

制作:muteua
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80周年記念賞受賞作

『水中全天球ライブ配信システムi-Ball(アイ・ボール)』

THETA

水族館の水槽の中から360度ライブ配信をしたいというアイデアから生まれました。

水中にTHETAを沈めても問題ない防水と、水圧がかかってもゆがまない形状の装置であることが特徴。水中からのライブ配信を長時間可能にするため、LANケーブル1本でカメラからの映像の受信とカメラへの送電をしています。

水中ハウジング制作:山縣広和
ライブ配信システム構築:谷川正継

制作:谷川&山縣
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80周年記念賞受賞作

『MOUTHETA』

THETA

THETA

口の中にTHETAを入れて撮影することで、口の中を全て撮影できます。撮影した画像は、スマートフォンとVRヘッドマウントディスプレイを使うことで口の中にいるように探検できます。

口の中以外が映らないようにするため、外部を遮断する紙にTHETAを差し込んで、電灯下で撮影します。この紙を使ったアイデアが印象的な作品です。

制作:virtual dentist center
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審査員特別賞受賞作

『World in a jar – ジャム瓶の中の世界 -』

THETA

THETA

THETAで撮影した画像はPC上か、スマートフォンで通常見ます。家族写真などは子供が30年後、大人になったときに見られる機器が存在するかわかりません。一方で、フィルムに焼き付け、光を当てて見るというアナログな方法はデジタル機器が変化しても見ることは可能です。

この作品は、プリントアウトした写真を写真立てに飾るように、全天球写真を飾ることができる作品です。全天球写真をスライドフィルムに焼き付け、瓶や電球の中のプロジェクターに差し込んで、内側に投影します。

プロジェクターの焦点が決まっているので、サイズは変えられないこと、瓶を使う場合は内側に映像が映りやすくするための加工を行う必要があるなど、どんな瓶でも使えるわけではありませんが、まるで瓶や電球の中に小さな空間を切り取って保存しているかのようで、非常にかわいらしいです。

手乗りサイズの瓶や電球は机や棚に置いておくことでいつでも見られる利点もあり、プレゼントに喜ばれそうです。

制作:MIRO
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審査員特別賞受賞作

最優秀賞受賞作、THETA Sと複数のマイクを内蔵し音の方向を推定できる玉子型マイクアレイを組み合わせ、今話している人を自動フォーカスしてモニターに表示する『聖徳玉子』をはじめ、どれも実用的で面白いアイデアを実際に作り上げていました。画像を撮影するだけにとどまらないことが、360度カメラの面白さなのかもしれません。次回のコンテストが開催された際には、さらに応募数が増え、VR関連展示が増えていくのではと期待できます。


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