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悪夢の克服にVRが効果的 調査結果が発表される

米ボストン大学のPatrick McNamara教授とWesley J. Wildman教授らは、悪夢障害の治療法としてVR(バーチャル・リアリティ)を活用したプログラム「ReScript」が、患者に有効な結果をもたらす調査結果を発表しました。

調査は約1か月の間悪夢障害をもつ19名の参加者に対して行われ、参加者にはVRヘッドセットとコントローラーが渡されました。研究所に週2回通う参加者の不安感や悪夢のストレス、悪夢の影響についてモニタリングした結果すべてにおいてストレスレベルが軽減されたことが明らかになりました。

深刻な問題となっている悪夢障害

米国では、不快な夢を見る悪夢障害に悩む子供が全体の1/2から2/3、成人では15%にのぼると言われてます。悪夢障害は、ストレスや不安を感じるだけでなく、慢性的な睡眠不足を引き起こし、日常機能や健康状態を阻害する深刻な事態となります。しかし、この症状に対する効果的な治療法はいまだ確立されていないのが現状です。

イメージを置き換える治療法

現在悪夢障害に最も効果的とされている治療法はイメージリハーサル療法(Imagery rehearsal therapy)と呼ばれる認知療法です。イメージリハーサル療法は、患者の見た悪夢を悪いイメージから良いイメージに置き換えるよう指導するというもの。ただし、この治療法の成功率は、実際に悪夢をイメージすることができるかどうかという個人の能力によるところが大きく、特に子供など若年層の患者にとっては適用が難しい治療法とされてきました。

「ReScript」は、このイメージリハーサル療法にVR技術を用い、VR内で悪夢のイメージを置き換えることを可能にします。

McNamara教授によるとVR療法は、あえて不安を刺激し、不安に対する過剰な反応を徐々に緩和させていく暴露療法の行動哲学に基づいて設計されており、悪夢障害の場合、治療に重要な悪夢のイメージを段階的に変化させることができると説明しています。VR療法は暴露療法よりも、よりリアルで詳細なシミュレーションを行うことができることに加え、イメージを変えることで刺激の強さを調節することにより、体系的な治療が可能になるとのことです。

子供にも効果が期待できる

調査結果には、VRで悪夢のイメージを生成することにより、患者が自分自身で悪夢をイメージするという負担を軽減させることができると結論付けられています。これにより、治療法の中で患者が悪夢をイメージする能力に頼っていた部分が解消され、特に若年層の患者にとっては最新テクノロジーに慣れ親しんでいるため、積極的にテクノロジーを活用することに意欲的な面もあり、有効的な手段であることが報告されています。

今はまだ医療現場での活用は見られないものの、研究者はこの治療法について引き続き調査を進めているとのことです。

Virtual Reality Therapy for Nightmare Disorder

Virtual Reality Therapy for Nightmare Disorder

Vimeo

(参考)VRScout
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