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ARグラスを社員全員に配布、“未来のカルチャー”を作る企業が考えたこと

来たるべきVRとARの時代を先取りするかのように、「社員全員にデバイスを配る」会社が現れはじめた。例えばフェイスブックのVRヘッドセット「Oculus Quest」シリーズは、価格も5万円以下と手頃で使い勝手も悪くない(筆者が代表を務める株式会社Moguraも社員全員に配布している)。一方でARはどうかというと、Oculus Quest並にお手頃なウェアラブルデバイスというのはまだ出てきていない。

しかし、ある日筆者のSNSのタイムラインに、「社員全員にARグラスを配った」という投稿が飛び込んできた。その会社は、XRスタートアップPsychic VR Lab。コンテンツ制作と共有ができるプラットフォーム「STYLY」を運営している企業だ。

「自分たちが作る未来やカルチャーを考えてもらいたい」

Psychic VR Labが配ったARグラスは、スマートフォンと接続して使うNrealLight。日本では2020年12月にKDDIから発売されている。対応スマートフォンはごく少数の最新機種に限られているため、ARグラスとスマートフォンもセットで配ることになる。

同社の従業員は30名程度で、NrealLightは7万円程度。そしてスマートフォンが10万円前後。開発に携わるスタッフだけでなく、バックオフィスの担当にも一律で配布したということなので、それだけでも数百万円の投資をしていることが分かる。

では、Psychic VR LabはなぜARグラスを配ったのか?

「弊社は、将来的に『人は空間を身にまとうことになる』というビジョンを掲げてXRに取り組んでいます」と語るのは同社で執行役員を務める渡邊遼平氏。「まずは我々自身が、そのビジョンを実践していく必要があると思っています。そこで、今あるデバイスから始めることにしました」と続ける。

正直それ以上の合理的な理由はなかった、と渡邊氏は語る。それでも代表である山口征浩氏の一声で、社員への全員配布は実現した。「自分たちが作る未来やカルチャーを考えてもらいたい」との強い想いがあったという。

確かにVRやARは、実際の体験から得られた感覚よりも「コンセプト」「イメージ」が先行しやすい。SNS等に溢れる2Dの動画や写真、画像では決して体験の性質は伝わりきらないにも関わらず、分かった気になってしまうことも多い。技術の進化は激しく、毎年のように「より良いもの」が登場し、未来に近づいていく。それゆえ、何より直接体験することが重要となる。


(Psychic VR Lab CEO 山口征浩氏)

「アップルを待っていてもしょうがない」

もちろん、配布しただけでは実際に社員が使わないことも考えられるだろう。話題性はあるものの結局パフォーマンスに終わってしまう……こともありうる。今回はあえて、配布から数週間経ったタイミングでの取材に踏み切った。そして現時点では「非常に満足している」という。

「普段は全然出社しないのに、ARグラスをもらいにわざわざ出社してくる社員が多かったんですよ(笑)」と渡邊氏は話す。「デバイスが好きな人たちなので、趣味でも取り組んでいって、SNSに投稿したり開発ツールを触ってみたりと、積極的に使ってくれている」。XR業界に入ってくる人材は新しもの好きが多い。まだ世に広まっていないものに熱中することも多いし、新しいデバイスは新しい、そして最高の“おもちゃ”になるわけだ。

さらに好奇心を満たすだけでなく、「社内では色々な反応があった」と渡邊氏。業務にも活かされはじめているようだ。デバイスとしての課題も多く見つかったほか、日常的にARグラスをかけてみることで、今のARグラスに求められるものが肌で理解できたという。渡邊氏は「継続できるようなコンテンツがないんです。天気予報、乗換案内、カレンダーなどライフスタイルで使うプレーンな機能がもっとほしくなりますね」と語った。

こうした取り組みにはエンジニアやデザイナーが真っ先に食いつきそうだが、ビジネスサイドにとってもありがたいものだったらしい。「営業の際、自分の手元にいつもデバイスがあるので、いちいちオフィスの共有デバイスを持ち出さなくて楽。すぐにかけれるし、プレゼン用のツールも作りたくなる」という声が挙がったという。VRやARの会社には“あるある”だが、機材管理は面倒だ。クライアントに“体験してもらうこと”こそが何よりの説得材料になるので、いつでもデバイスを持ち歩ける点は大きい。渡邊氏は「ARグラスは持ち運びが本当に簡単なんですよ。重いゲーミングPCとVRヘッドセットをキャリーバッグで運んでいた頃に比べると、雲泥の差です(笑)」と続けた。

NrealLightは「HoloLens 2」や「Magic Leap 1」など、他のウェアラブルタイプのARデバイスと比べても、小型・軽量にチャレンジしているため取り回しは良さそうだ。一方でデバイスとしての課題も少なくないなか、Psychic VR LabがアップルのARグラスなど、今後発売を噂される(あるいは開発中である)デバイスを待たなかった理由を尋ねた。「身にまとうには最低限グラス型であることが重要です。そして(いつ出るのかわからない)アップルを待っててもしょうがない。今買える最高のものを買おうという選択でした」と渡邊氏は語る。

ARグラスは2020年代に大きな技術的飛躍が予見されており、一般普及に期待がかかる。2021年も新たなデバイスが登場が次々と登場するだろう。一昔であればSFのように感じられたかもしれない、ARグラスを日常的に使う時代の足音が近づいている。一足早く、自分たちから“空間を身にまとい”始めた集団がどんな展開を見せるのか、注目したい。


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