VRトレーニングを手掛けるフランスの企業Pitchboyが、シードラウンドで67万5,000ドル(約7,400万円)を資金調達しました。
Pitchboyは2019年創業のパリとニューヨークに拠点を構える企業で、セールスやカスタマーサービス向けに特化したVRトレーニングの開発を行っています。同社は非常に新しい企業であるにも関わらず、既にフランスの大手電気通信事業者であるオレンジや、レンタカー会社のSixtといった大手企業との取引実績を有しています。
今回の資金調達には、フランスの庭園家具製造会社Lafumaの元CEOであるPhilippe Joffard氏や、金融サービスサイトmeilleurtaux.comの創業者Christophe Cremer氏などが出資者として参加しました。Pitchboyによると、調達した資金は開発費と人員確保のための人件費として使用されます。
VRトレーニングで経費削減、法人向けに
PitchboyのVRトレーニングは、セールス担当やカスタマーサービス、医療機器販売、医療品販売、トレーニング、小売業、接客スタッフ、人事採用担当などを対象としており、法人向けに開発を行っています。同社のトレーニングプラットフォームはAIが制御する形式で、音声認識で動作するように設計されています。
VRトレーニングの利用者は、ソフトウェア側が用意した架空の人物(顧客)と話し合うことでトレーニングを行います。トレーニングビデオはシナリオ制になっており、俳優が演技をした映像を使用。米メディアVRfocusによれば、「VRトレーニングに登場する顧客の反応は、Pitchboyの言語アルゴリズムによって可能な限りリアルになるよう設定されている」とのことです。
VRトレーニングの監督者は、履修者の進捗状況をモニタリングできるようになっています。トレーニングの終了後、履修者には(VRトレーニングの)成績と、スキルアップのためのアドバイスが提示されます。
今回の資金調達の成功についてPitchboyのCEO、Homeric de Sarthe氏はプレスリリース上で以下のようにコメントしています。
対面で行う伝統的なマンツーマン形式の指導は高額です。また70%の人は(トレーニングから)24時間以内に、学んだことを忘れてしまいます。我々は、今回調達した資金を使用して、これらの問題を解決できるVRトレーニングを、価格を抑えて開発します。
(参考)VRfocus
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