株式会社Preferred Networksは、高精細な3Dモデルやキャラクター2D画像を生成できるデジタル素材生成システムを開発しました。同社は今後本システムを活用、アニメーションや映画、ゲーム、広告等クリエイティブ産業における制作を支援します。
Preferred Networksは2014年に設立。トヨタ自動車やファナック、国立がん研究センターなどの組織と提携し、機械学習・深層学習などの技術を活用、課題解決に取り組んでいます。
高精細な3Dモデルを手軽に生成
今回Preferred Networksが開発した高精細3Dモデル生成システムでは、現実の物体を専用の3Dスキャナーに配置・撮影することで、3Dモデルを自動生成します。物体のサイズや材質の違いにも幅広く対応、小型のアイテムであれば約6時間の撮影作業で当日中に200点以上の3Dモデル化が可能とのこと。
2Dキャラクター画像の自動生成
また、Preferred Networksは2Dキャラクター生成プラットフォームCrypkoのアップデートを発表。Crypkoの技術提供を開始した2019年時点では主にキャラクターの顔が生成対象となっていましたが、上半身を高い精度で生成することが可能となりました(※一般向け公開は2019年3月に終了)。
Crypkoは深層学習のアルゴリズムのひとつであるGAN(Generative Adversarial Network)を活用、2Dキャラクターの自動生成を行います。生成された2Dキャラクター画像の用途は、様々なクリエイティブへの活用のほか、VTuberのデザインとしての起用も考えられるでしょう。
生成技術を活用したMVも公開
Preferred Networks、およびキングレコード株式会社と株式会社ポリゴン・ピクチュアズは、このCrypkoと高精細3Dモデル生成システムを使用した短編動画を制作・公開。MVでフィーチャーされているキャラクターはCrypkoで生成した2Dキャラクターを元にデザインされており、動画中で登場する複数のアイテムが高精細3Dモデル生成システムによるものです。
(動画で使用されたギターの3DCGは、外部クリエイターとの共同作業により品質の向上を図っている)
(参考)プレスリリース