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Oculus Rift 2017.12.15

VRヘッドセット『Oculus Rift』最新情報まとめ 価格・スペック・おすすめアプリなど

VR元年と呼ばれた2016年からしばらく経ちました。いまではスマートフォンを使用したVRゴーグルや、ゲーミングPCまたはPlayStation 4(PS4)と接続して楽しむハイエンドなVRヘッドセットのほか、VR体験施設で様々なVRを楽しむことができるようになりました。

今回はPCと接続してVRを楽しめる『Oculus Rift』について、価格や購入方法、必要スペック、そしておすすめコンテンツなどを紹介・解説します。

目次

1.Oculus Riftとは
2.Oculus Riftの特徴
3.価格と入手方法は?
4.Oculus Rift本体のスペック
5.Oculus Riftを使うためのPCスペック
6.コントローラーや周辺機器
7.Oculus Riftのコンテンツはどこで購入・起動できる?
8.Oculus Riftおすすめコンテンツ
9.新型や他モデルの予定は?

1.Oculus Riftとは

Oculus Riftは、PCと接続して頭に装着することで、高クオリティで快適なVR(バーチャルリアリティ)を体験できるVRデバイスです。

Oculus Riftを装着し、視界をディスプレイで覆うことで、ハイクオリティなゲームの世界や各国の絶景・名所などに、そのまま自分が入り込んでしまったかのような臨場感・没入感のある体験ができます。

2.Oculus Riftの特徴

フェイスブック傘下のOculus社が開発、専用コンテンツも高品質

Oculus Riftは米フェイスブック社の傘下であるOculus社が開発しています。Oculus社の開発した「Oculus Rift」は近年のVRブームの火付け役でもあり、業界をリードしている企業であると言えるでしょう。

そして、Oculus Riftのコンテンツは高クオリティなものが多く存在しています。これはOculusがプラットフォーム全体の方針としてコンテンツ制作支援への投資などを行っており、結果的に完成度に関わらず自由に投稿できるタイプのプラットフォーム・Steamと比較して高クオリティなものが割合として多くなっています。

リアルに「握っている」感の強いコントローラー

Oculus Riftには少し特殊な形状をした専用コントローラー「Oculus Touch」が付属しています。このコントローラーは手で握って使用するのですが、それゆえVR内でモノをつかんだり握ったりした時の「本当に自分が手で何かをつかんでいる」感触は他のコントローラーよりも強く感じられます。

通常のゲーム用コントローラーやスティック状コントローラーは、前者であればゲームプレイヤーにとっては慣れ親しんでいて操作が覚えやすいことや、後者であれば剣や杖などの形状を表現しやすいことなどのメリットがあります。一方で「モノをつかむ、握る」ということの没入感という点では、Oculus Touchの方がよりリアルな体験ができます。なお、人によっては、慣れるまでには少し時間がかかるかもしれません。

重量も軽めで装着感が〇

Oculus Riftの重量はおよそ470gほど。PlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)よりも軽く、スマートフォンを使用するGear VRの総重量とほぼ同じ。また、重心の設計にもこだわりが見られ、首や頭部への負荷も小さく、長時間つけていても疲れにくいのが特徴です。

VRデスクトップを実現、より適したUIでVRが体験できる

2017年12月6日、Oculus RiftにVR内のUIを一新するアップデート「Rift Core2.0」のオープンベータ版提供が開始されました。このアップデートにより、デスクトップアプリをマルチタスクで起動、ウィンドウをVR内の壁に貼り付けて使用できる「Oculus Dash」や部屋風のホームシーン「Oculus Home」などが使用できるようになります。既存のメニュー画面形式ではなく「VR内デスクトップ」という、より適したUIでVRを使用することができます。

3.価格と入手方法は?

2019年1月現在、Oculus Riftの価格は税込・送料込で45,000円です。本体に加えて、専用コントローラーである「Oculus Touch」2つ、赤外線センサー「Oculus Sensor」2つ、そして接続用のケーブルとVRで楽しめるアプリ『Lucky’s Tale』『Medium』『Toybox、Quill』『Dead and Buried』『Dragon Front』『Robo Recall』の合計7本が付属します。

ただしOculus Riftは単体では動作せず、PCと接続して使用します。後ほど説明しますが、基準となるスペックを満たそうとするとおよそ10万円前後のPCが必要となります。

Oculus Riftの購入はにOculusの公式サイトから行います。トップページや商品ページから「カートに追加」を選択し、その後「チェックアウト」をクリック。住所や支払い情報などを入力します。公式サイトはほぼ日本語で記載されていますが、海外から発送されることを考えると、住所は日本語ではなくローマ字で記入するのが望ましいかと思われます。

また、商用利用可能なプランとして「Oculus for Business」も発表されています。価格は900ドルから、2017年12月時点では米国でのみの提供となっています。

「Oculus for Business」の内容としてはセンサーの同梱数が1本追加され、さらに複数人が装着することを想定し、交換用フェイスフォームが3つ付属します。

商用利用ライセンスに加え、法人向け保証、カスタマーサポートを受けることができ、また複数の大口注文にも対応しています。2017年に開催された開発者向けイベントOculus Connect ではアウディやシスコなどでの使用事例が紹介されました。

4.Oculus Rift本体のスペック

Oculus Rift本体のスペックは以下の通りです。

国内価格(税込)

45,000円

付属品/同梱物

専用コントローラー「Oculus Touch」×2
赤外線センサー「Oculus Sensor」×2
各種ケーブル

ディスプレイ解像度

1080×1200 有機ELディスプレイ×2(=2K解像度)

リフレッシュレート

90Hz

視野角

110度

ヘッドホン

3Dヘッドホン一体型(着脱化)

トラッキングカメラ

赤外線カメラ付属

プラットフォーム

Oculus Home
(Steam等も利用可能)

重量

470g

5.Oculus Riftを使うためのPCスペック

Oculus Riftを使用してVRコンテンツを楽しむには、別途VR向けPCが必要です。3Dで描画を行うため、VR対応のグラフィックボード(いわゆる「グラボ」)と呼ばれるパーツが搭載されたPCが必要になります。

Oculus RiftでVRを楽しむための推奨スペック、必要な最小スペックは以下の通りです。一部のパソコンショップなどでは「VR Ready PC」などの名称で、VRを楽しむために十分な性能を備えたPCを販売しています。

ただし、体験するコンテンツによっては下記「推奨スペック」以上のCPUが必要になる場合もあります。遊びたいコンテンツがある方は、先にOculusのコンテンツページなどで調べておくことをオススメします。

 

推奨スペック

最小スペック

CPU

Intel i5-4590以上
AMD Ryzen 5 1500X以上

Intel i3-6100以上
AMD Ryzen3 1200/FX4350以上

グラフィックボード

NVIDIA GTX 1060/970以上
AMD Radeon RX 480/R9 290以上

NVIDIA GTX 1050Ti/960以上
AMD Radeon RX 470/R9 290以上

メモリ

8GB以上のRAM

8GB以上のRAM

ビデオ出力

HDMI1.3互換ビデオ出力

HDMI1.3互換ビデオ出力

USBポート

USB3.0ポート×3
USB2.0ポート×1

USB3.0ポート×1
USB2.0ポート×2

OS

Windows 7 SP1
64ビット以降

Windows8.1以降

6.コントローラーや周辺機器

専用コントローラー「Oculus Touch」

すでに前述したOculus Riftの専用コントローラーが「Oculus Touch」です。こちらはOculus Rift本体に付属しています。それぞれ左右の手に握り込んで持ち、VR内でゲームやアプリなどを操作するために使用します。以前はXbox Oneコントローラーや「Oculus Remote」と呼ばれるリモコン型コントローラーが付属していましたが、現在はこのOculus Touchが付属しています。

従来のゲーム用コントローラーとは異なり、かなり自然に手の動きをVR内に反映することができます。指の動きも追随できるので、本当にVR内のモノを「握る」「つかむ」ような動作が体験できます。個別で購入することもでき、その場合は左右の2つセットで12,800円(税込)となります。

Oculus Rift Earphones

Oculus Riftに接続してより没入感を深めるための「Oculus Rift Earphones」。Oculus Riftにはヘッドホンが付属していますが、そちらを取り外してイヤホンを接続できます。こちらの価格は5,800円(税込)。

Oculus Sensor

こちらはOculus Riftに同梱しているセンサー「Oculus Sensor」。Oculus Rift本体やコントローラーなどの動きを追随し、VR内に反映するために使用されています。

従来は2つ付属しているのですが、追加のセンサーを1つ購入してセットアップすることで、小部屋ほどのサイズを自由に動き回れる「ルームスケール」での体験ができるようになります。追加で購入する場合は1つにつき7,800円(税込)です。

無線化キットも複数社から登場か

Oculus RiftはPCと有線で接続して使用するため、VR体験中にケーブルが身体や周りのモノに当たってしまい、煩わしく感じるケースもあります。そのような問題を解決するのがサードパーティー製の無線化キットであるTPCAST 社の「ワイヤレスアダプター」です。ワイヤレスアダプターをOculus Riftに装着することで、低遅延かつ高フレームレートを維持したまま、無線でのVR体験が可能となります。

Oculus Rift対応のワイヤレスアダプターは2017年第4四半期(10月〜12月)後半の販売開始を予定しているとのこと。他にもOculus Riftの無線化キットを開発しているメーカーは複数存在するため、今後の展開にも期待がかかります。

7.Oculus Riftのコンテンツはどこで購入・起動できる?

Oculus Riftで楽しむためのVRコンテンツは、専用ストアである「Oculus Store」、そして世界最大級のコンテンツ配信プラットフォーム「Steam」から購入・ダウンロード・起動できます。2017年7月のアップデートでOculus HomeからSteam内のコンテンツを起動することも可能となりました。

8.Oculus Riftおすすめコンテンツ

Robo Recall

エピックゲームズによるVRアクションゲーム『Robo Recall』。本作は暴走したロボットたちを倒し「リコール」してゆくVRゲームです。「VRならではのカッコいいアクション」にこだわって開発されており、敵をつかんで投げたり、銃を宙に浮かせてからそれをつかみ、振り向きざまに敵を撃ち抜くなどのアクションを楽しむことができます。VRにありがちな「VR酔い」も移動方法を工夫することで解決し、遊びやすく爽快感のあるタイトルになっています。価格は2,990円ですが、2017年12月現在、Oculus Riftを購入すると無料で付属します。

Robo Recallのコンテンツページはこちらです。

Tilt Brush

VRで自由にお絵描きできるクリエイティブツールが『Tilt Brush』です。Googleの開発した本ソフトでは、空中にさまざまなペンツールで絵を描いたり、その絵の周りを360度ぐるりと回って見てみたり、たくさんのエフェクトを空中に散らしたり……といった、VRならではのお絵描きが楽しめます。価格は1,990円。

OculusのTilt Brushコンテンツページはこちらです。

Google Earth VR

世界各地の風景を見れる「Google Earth」のVR対応版が「Google Earth VR」。元々はPC向けのVRヘッドセット「HTC Vive」向けに作られていましたが、2017年4月にOculus Riftにも対応し、さらにストリートビューも見ることができるようになりました。世界各国の名所や観光地をVRで飛び回る体験ができます。本アプリは無料でダウンロード可能です。

Google Earth VRのコンテンツページはこちらです。

そのほかのおすすめソフトは、下記で紹介しています。
Oculus Rift・Touchで楽しめるおすすめゲーム・アプリ10選
http://www.moguravr.com/vr-oculus-rift-touch-game-selection/

9.新型や他モデルの予定は?

2017年12月現在、Oculus Riftの後継にあたる「PCや他の機器と接続して楽しむハイエンドVRヘッドセット」の情報やリリース予定などは不明です。一方で、「PCやスマートフォンと接続せず、それ単体でVRを体験できるもの」として、一体型VRヘッドセット「Oculus Go」そして「Santa Cruz」の情報が公開されています。

「Oculus Go」は、PCやスマートフォンを使用せずに単体でVRが体験できる、いわゆる一体型VRヘッドセットです。位置トラッキングや手を自由に動かす操作はありませんが、Oculus社によると「これまでにないモバイルVRとしての性能」を備えているとのこと。価格は199ドルを予定しており、2017年の11月に開発者版を出荷、2018年前半に一般発売予定です。「VRをやってみたいけど、VR用に新しくPCを買うのはちょっと……」という方は、こちらを待ってみても良いかもしれません。

またOculus社が開発中の一体型ヘッドセット、コードネーム「Santa Cruz」についても部分的に情報が公開されています。「Santa Cruz」はちょうどOculus GoとOculus Riftの中間あたりのデバイスになると予想されています。

こちらはOculus Goと異なり位置トラッキングを搭載、さらにハンドコントローラーも自由に動かすことができます(Oculus Goは3DoF、方向のみを追随)。2017年11月現在、「Santa Cruz」は2018年中の開発者版出荷を目指しており、実際にユーザーが手にするのはもう少し先になりそうです。


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