Home » Oculus Questの「パススルー」機能、開発者向けに開放予定か


開発 2021.05.25

Oculus Questの「パススルー」機能、開発者向けに開放予定か

一体型VRヘッドセットOculus Quest 2には、周囲の現実世界の様子が見える“パススルー”機能が実装されています。現在はフェイスブックの提供するアプリのみが使用しているこの機能ですが、2021年内に開発者へ開放する意向が示されています。

ガーディアンの設定などで利用

Oculus Quest 2(及び初代Oculus Quest)は前面に、インサイドアウト形式のトラッキングを行うためのカメラを搭載しています。このカメラには“パススルー”機能が実装されており、VRヘッドセットの周囲の様子をディスプレイ側に表示可能です。

代表的な用途がプレイエリアの設定。その他、パススルーで見える現実空間にマルチモニターのように複数の画面が広がる「Infinite Office」ホーム画面への設定などでこの機能が使われています。

冒頭の意向を示したのは、VR/AR部門Facebook Reality LabsのVP、アンドリュー・ボズワース氏です。ARコンテンツ開発のために開発者がパススルー機能を使えないかという問いに対し、「実現に向けて取り組んでいます」「現実になる予定です…今年中に実現すると願っています」と回答。明確な日付は分からないとしつつ、機能の開放を予定すると明言しました。

Quest向けARコンテンツが可能?

実現により、例えばパススルー+ APIが開発者に提供されれば、どのようなメリットがあるでしょうか?代表例はARコンテンツの開発です。現時点で画像はモノクロながら、マイクロソフトのHoloLensやMagic Leapのデバイス(共に現実を直接見ながら視界の中にCGモデルを重畳させる透過型デバイス)と比較し、視野角の拡大が実現できるビデオシースルー型デバイスの可能性を秘めています。

フェイスブックは既にSpatialといった複数のサードパーティーと、パススルー機能を活用したMRのテストを実施中です。より広く開発者に利用可能になるのか、ユーザーの周辺環境データの取得といったプライバシー面の配慮含め、展開が注目されます。

(参考)Upload VR


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード