2018年7月、タイで少年ら13人が洞窟に閉じ込められたニュースは、世界中がその救出劇を見守るほどの話題となりました。アメリカ大手新聞社のニューヨーク・タイムズ社(NYT)は、この洞窟がいかに危険な場所だったのかをARで伝えようとしています。
少年らが潜り抜けた洞窟の様子は?
NYTのアプリ「The New York Times」で体験できるのは、洞窟内の通り道の様子です。現実の空間に実物大の通り道=穴のサイズを表示し、少年らやレスキューダイバーが、どれほど狭い空間を潜り抜けて生還したのかを、実感することができます。
2018年の2月以来、同社のアプリ(iOS/Android)ではARコンテンツを配信しており、今回が7回目となります。
しかし、今回の内容は、過去と趣を異にしています。これまでに配信された冬季オリンピック、デヴィッド・ボウイ、グアテマラの火山噴火等のコンテンツは、報道内容に関する3Dモデルを映し出すだけでした。対して、「現実空間に現場(洞窟)の様子を重ね、自分自身がその現場を疑似体験する」という点で、タイの洞窟に関するARは異なっています。
直感的に理解できるコンテンツ、報道の一環へ
メディアNext Realityの取材に対し、NYTは。「我々は毎回新しいことに挑戦し、何が起こっているかを直感的に理解できるコンテンツを追求しています」と回答しています。
大手メディアではUSAトゥデイもARアプリを配信するなど取り組みを進めています。一方、NYTはこの半年間で定期的なARコンテンツ配信を行っており、ARを「報道の一環」と位置づけるはたらきを強めています。
(参考)Next Reality