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活用事例 2018.02.06

米NYタイムズ、アプリにAR導入 冬季五輪でも活用へ

スマートフォンのデバイスなどをかざして、画面越しの現実世界にアニメーションや3Dオブジェクトを置くことができるAR(拡張現実感)を導入する企業が続々と増えています。

2月1日(現地時間)、アメリカ大手新聞社のニューヨーク・タイムズ社は、同社が配信するiOS向けアプリ『The New York Times』の一部記事をARで配信していくことを公式サイトで発表しました。同社はAR記事について次のようにコメントしています。

「スマートフォンの画面越しに、目の前に実物と同じ大きさのデジタルオブジェクトを置くことで、画面の中に収まりきらない物語を広げていきます。国境の壁や芸術作品などのオブジェクトは、近づいて見ることができるので、刺激的でより詳しい情報を得ることができるでしょう。」

どこでも呼び出せるAR新聞自動販売機

1990年代ニューヨーク・タイムズ誌は、新聞自動販売機(以下販売機)をアメリカ各地に13,000台設置していました。時代が変わるにつれ徐々に減少し、現在は約30台しか存在していません。同社は残されたこの販売機の撮影を行いARコンテンツを作成しました。『The New York Times』アプリを使うと、iPhoneやiPadのカメラを使っていつでも3Dの販売機を呼び出すことができます。前からうしろから好きな角度から眺めたり、床に置いたり机の上に置いたり、近づいてその機体についた錆まで確認することができます。

今後のAR記事の拡大

『The New York Times』はARで販売機が見れるだけではありません。次は、韓国・平昌で開幕する冬季オリンピック記事のAR配信を予定しています。ARを使った配信というと、好きな場所でオリンピック選手たちが活躍する様子を3Dで映し出し、いろいろな角度から眺めることを期待してしまいますが、実際にどのような配信になるか具体的な情報は明らかになっていません。

同誌は公式サイトでARについて次のように述べています。

「ARは、対象物の実際の大きさやその性質、感覚を映し出すことができます。私たちの3次元の世界を伝えるストーリーは、あなたの目の前で、ありのままで配信されるでしょう。彫刻をもっと詳しく見たいときは、近づいてみてください。スマートフォンの画面をズームする必要はありません。ほかの角度から見たいときは周りを歩いてみてください。画面をスワイプする必要はないのです。」

本アプリはiTunes Storeから無料でダウンロードができます。対象年齢は12歳以上です。ARコンテンツの動作環境はiOS11以降でiPhoneSE、iPhone6S以降のiPhoneおよび第5世代のiPad、iPad Proで体験できます。

iTunes Store『The New York Times』
https://itunes.apple.com/jp/app/the-new-york-times/id284862083?mt=8

Android向けにも今後配信を予定しているとのことです。

先日もアメリカ大手雑誌のTIME誌がARの導入を開始しました。メディアのAR活用も今後は進むと考えられます。

(参考)

New York Times Moves Into The Future With Augmented Reality App / VRFocus(英語)
https://www.vrfocus.com/2018/02/new-york-times-moves-into-the-future-with-augmented-reality-app/

The New York Times 公式サイト(英語)
https://www.nytimes.com/?action=click&contentCollection;=Sports&region;=TopBar&module;=HomePage-Button&pgtype;=Multimedia

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