宇宙空間を飛行したり、アニメのキャラクターをすぐそばに呼び出したり、実際には存在しえない物もリアルに感じさせるという点で、VR/ARは優れた能力を発揮します。
しかしニューヨーク・ファッション・ウィークにちなんでリリースされたARコンテンツは、少し変わっています。ニューヨーク・タイムズは、プラスサイズ・モデルとして知られるスーパーモデルのアシュリー・グラハムがランウェイを歩く様子を、全くの修正もなく、ありのままに表すためにARを活用しました。
モデルを見る角度も自由
このコンテンツは100台以上のカメラを使って撮影(Volumetric Capture)されました。ユーザーはアプリを使い、好きな場所にアシュリーのARを投影することが出来ます。
確かにAR画像自体はSFのような技術です。しかしNYタイムズはコンテンツについて「フィルターや編集は一切なく、見る位置も(ファッションショーのように)決まった角度に固定されていません、“動くモデル”です」と、現実の姿そのものである点を強調しています。
ありのままが美しい、というメッセージ
3Dコンテンツ化のためにあらゆる方向から撮影されるということには、多くの人がためらいを感じるでしょう。しかしアシュリーはこのチャンスに手を挙げ、前例のない360度撮影に取り組みました。彼女は大柄な体型でポジティブなボディ・イメージを広めており、コンテンツを通じて女性たちに、ありのままで美しい、というメッセージを伝えようとしています。
アシュリーはコンテンツについて「私の下腹が出ているのも、脂肪も見えるでしょう。(中略)私はリアルな自分を見せています。女性たちには、ありのままの自分を見せて良い、ありのままの自分がパーフェクトで美しいのだと知ってほしいです」とNYタイムズに語りました。
アシュリー・グラハムのARはNYタイムズのアプリ(iOS/Android)で配信されています。同社はこれまでにも、オリンピックや災害などニュース報道のAR配信を行っています。
(参考)VRScout
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